悪人 2010 Villain

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監督: 李 相日
出演: 妻夫木 聡, 深津絵里, 岡田将生, 満島ひかり, 樹木希林

モントリオール世界映画祭 最優秀女優賞受賞作品
第34回日本アカデミー賞最優秀賞最多5部門受賞
主演男優賞/主演女優賞/助演男優賞/助演女優賞/音楽賞

祐一と言う人間は、GTRを乗り回し、出会い系サイトで女性を探しまわっている。
光代は、平凡な女性、おそらく引っ込み思案であまり多くの人と接触しないタイプ
どちらも寂しい人間であり、出会い系でその寂しさを癒す人を求めている。

祐一が女性を殺した過程は、偶発的で稚拙な問題の処理の仕方だった。確かに、殺された女性も、きっかけを作った男性も非はあるが、やはり祐一に本当の問題があるように思われる。
誰が悪人だろうか、光代にしてみれば、祐一は必死で愛した男性である。自分にはちっとも悪人ではない。でも世間の人から見れば悪人である。
灯台での二人のシーンは、あれは日の出だろうけど、二人の感情の結びつきを表しているいいシーンである。カメラワークももフォーカスの切り替えによって、登場人物の心情をうまく描写している。妻夫木 聡、深津絵里の好演が光る。それにもまして樹木希林、柄本 明の演技がすごかった。

祐一の人間性がわかれば同情する余地もあるのだが、冷静に見てみれば祐一にはたくさんの非があるんだが。ただ祐一には、たとえその少年時代に深い心の傷を負ってたとしても人間関係の対処の仕方に問題があるように思えるのだが。

最後に光代の首を絞めた祐一の心はどうだったのか、そしてその手を掴もうとした祐一の心はどうだったのか。これは見た人が判断すればいいことなんだろうな。

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