日本のワイン 長野県 Wines of Nagano

日本のワイン 長野県

ブドウ品種
赤ワイン用品種 コンコード、メルロ、巨峰、マスカット・ベーリー A
白ワイン用品種 ナイアガラ、シャルドネ、竜眼、セイベル9110、

受入数量6704t

日本ワインにおいて最も活気がある県。
新しいワイナリーができつつある。
2013年長野県が発表した
信州ワインバレー構想
松本盆地
佐久盆地
長野盆地
伊那盆地

ワイン特区
構造改革特別区域法による酒税法の特例措置の認定

千曲川ワインバレー東地区(上田市、小諸市、千曲市、東御市、立科町、青木村、長和町、坂城町)
高山村、山形村、塩尻市、松川町、下条村

2002年 長野県原産地呼称制度創設


歴史
1890年 桔梗ヶ原の赤松林を開墾、欧米系品種、コンコード、ナイアガラなどの栽培に着手した。


1955年以降 桔梗ヶ原はコンコードを使った天然果汁が注目される
1968年 マンズワインが上田市に進出 1969年、小諸にワイナリーを設立

1989, 1990年 桔梗ヶ原メルロ リュブリアーナ国際ワインコンクールで2年連続金賞受賞
桔梗ヶ原はメルロの産地として注目される。

気候風土
面積は13562km2 で東京都の約6.2倍、どこにも海を接していない内陸の県。盆地は、松本盆地、佐久盆地、長野盆地、伊那盆地、これら農地の80%以上が標高500m以上の高地にある。ブドウ畑はおもに全3つの盆地の辺縁部に開かれており、標高は350mから900mにわたっている。
4盆地の気候はいずれも盆地気候で、年降水量が少なく、昼夜、夏冬の気温差が大きく、果樹の栽培には有利な条件となっている。とりわけ長野盆地から上田盆地、佐久盆地にかけての一帯は、北海道東部に次いで雨が少ない。
積算温度 
東御や大町 RegionI
桔梗ヶ原、上田市の丸子町、池田町、中野市/高山村、飯綱町 RegionII
上田市、長野市、松本市沢村、山辺地区、飯田 RegionIII

ぶどう品種
日本で栽培されているヨーロッパ系品種のうちで、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、シャルドネはの生産量はいずれも長野が日本のトップ。
しかし、長野県全体でみると、コンコード、ナイアガラの生産量が多い。

桔梗ヶ原ワインバレー

松本盆地の南端の塩尻市が全て含まれる。桔梗ヶ原ワインバレー一帯は、約5万年前、奈良井川、鎖川、小曽部川によって形成された広大な扇状地が河岸段丘化して出来上がった。周辺は川の流れに沿った緩やかな斜面が続く。
桔梗ヶ原はそもそも奈良井川の河岸段丘の上段を指しているが、最近では、中段、下段、そして左岸の段丘も含むことがある。それらの畑でもヨーロッパ系品種のブドウ園が広がりつつあることがある。標高700m〜800mの高地になる。ブドウ生育期間の日照量は全国1位、2位を競い、ブドウ栽培の条件に恵まれている。
大半が棚栽培。

千曲川ワインバレー
千曲川ワインバレーは、上流の佐久市から下流の中野市までの千曲川流域になる。上流から下流に至るまで、生育期間の雨量は少ないという気候条件にも恵まれている。現在新しいワイナリーが設立されて、激動の変化の最中の地域である。
上流の上田平と佐久盆地とその周辺(佐久市、小諸市、東御市、上田市)と下流の長野盆地とその周辺に分ける(長野市、須坂市、高山村、小布施町、中野市、飯綱町)

1上田平と佐久盆地周辺
千曲川上流の佐久盆地と上田平は、浅間山およびそこから西に連なる南西斜面で、下流の長野盆地に比べると盆地の幅も狭く斜面の斜度もきつく、起伏に富む。
現在最もワイナリーの設立の動きが活発なのが東御市、標高600m ~ 900mの間にブドウ園は拓かれており、長野県のブドウ栽培地の中でも冷涼で、とりわけシャルドネの評価は高い。標高は高いが、太陽の光をよく浴びる傾斜地で、ブドウの糖度は上がるが酸はしっかり残る。他には、メルロ、ピノ・ノワール、ソーヴィニョン・ブランなどが栽培されている。一帯はヨーロッパと同様の垣根仕立てのブドウ園が点在している。
東御一帯は火山灰由来の黒ボクが多く、一部粘土質もある。上田市の左岸は細粒褐色森林土と呼ばれる粘土質。


長野盆地とその周辺
千曲川のさらに下流。中野市、小布施町、須坂市、高山村にかけては、千曲川に流れ込む鮎川や松川、夜間瀬川などの支流に形成された扇状地と千曲川によって造られた沖積地によって構成されている。右岸と左岸では扇状地の様相も異なる。高山村は千曲川の右岸、長野盆地の東端の扇状地に位置する。東御市と並び、ヨーロッパ系品種のブドウ園が激増している地域。

ほぼ西向の緩やかな斜面は垣根仕立てのブドウ園が広がっているが、標高差400-800mと一つの村内でも差は大きく、斜面の向きも複雑に入り組む。一般的には秋口に西日が遅くまで当たりブドウの糖度が上がるが、標高が低いほど白用品種では酸の低下が課題。ブドウ園の標高によって異なっているが、基本的にはシャルドネ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フランなどが栽培されている。

右岸は木の本的には南西向きに開けた洪積扇状地で緩斜面の畑の土壌は、黒ボク土が多いが、礫を多く含み水はけが極めて良好な礫粒褐色低地土の場所もある。飯綱町から長野市北部にかけてもワイン用ブドウの栽培が取り組まれている。標高600m以上では気候は冷涼。土壌は黒ボクと粘土質。

日本アルプスワインバレー
長野県西部に南北に伸びる松本盆地は、別名安積平、松本平とも呼ばれる。この松本盆地から南端の塩尻市のみを除いたエリア。
盆地北部から西側に美しい稜線を描く北アルプスが望める。盆地中央には松本で奈良井川と梓川、高瀬川が合流し犀川となる。これらの河川に流れ込む様々な支流によって形成された扇状地と沖積地で構成される。

エリアの東部は長野県でブドウ栽培が始まった土地。エリア内の現在の松本市山辺地区だと伝わる(甲州ブドウを江戸時代から育てていた)。西向の扇状地にある山辺地区のブドウは明治の頃より、山辺のブドウとして塩尻のブドウと並び称されていた。
土壌は礫を含む低地土と粘土質。
池田町のブドウ園は標高600m安曇平を見下ろす南西斜面。高瀬川による洪積扇状地で、礫を多く含む森林土。
東向の扇状地に位置する大町市では、ナイアガラ、コンコードといったアメリカ系品種がまだが多い。池田町ではソーヴィニョン・ブランでも知られる。シャルドネ、メルロも増加傾向。

天竜川ワインバレー

伊那盆地は、東は南アルプス(赤石山脈)、西は中央アルプス(木曽山脈)に挟まれており、伊那谷とも呼ばれている。盆地の中央を流れる天竜川に流れ込む支流によって扇状地が形成され、天竜川によって河岸段丘が形成されている。
松川町の東向き斜面(標高700m)と比較的平坦な宮田村(標高630m)でワイン用ブドウが栽培。品種は長野の他のエリアと異なり、山ブドウと山ブドウとカベルネ・ソーヴィニョンを交配したヤマソーヴィニョンがある。
土壌は黒ボクと礫を含む低地土。

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