日本のワイン 山梨県 wine of yamanashi

日本のワイン 山梨県 wine of yamanashi

山梨県ワイン酒造組合加入数77社
山梨県では、新たなワイナリーの設立は続いているが、ワイナリー数は全体として緩やかに減少傾向にある、
県内で生産されるワインの約37%が県外産のブドウを使っている。
2013年、国税庁は山梨をワイン産地として指定した。

気候風土
山梨県は本州のほぼ中央部に位置している内陸県。総面積は4465㎢で、東京都の約2倍である。
山梨県のワイン造りおよびワインの原料となるぶどうの栽培は、大半が甲府盆地周辺に集中している。

甲府盆地では、気候の内陸性が顕著に現れる盆地気候になる。昼夜、および夏と冬の気温差が大きく、内陸特有の気温特性を示し、年間降水量も少なく約1000mmだが、とりわけ勝沼周辺の降水量が少ない。八ヶ岳山麓は全国的に見ても日照量が多い。また県内全般に風が弱い。

勝沼の積算温度は2123˚CでRegion IVに成る。生育期間の日照量は何の3地点も1200時間を超え、長野県とほぼ同じ長さだが、降水量は849mmから925mmと長野県に比べて若干多い。

山梨県
白ワイン用品種
甲州 52.2%
デラウェア 7.8%
シャルドネ 1.2%

赤ワイン用品種
マスカット・ベーリー A 23.6%
巨峰 3.8%
メルロ 2.1%

主なワイン産地
甲府盆地東部
甲府盆地中央部
甲府盆地北西部
甲府盆地西部

甲府盆地東部
甲州市、山梨市、笛吹市を含む。日本ワイン造りの発祥の地。
全体的に傾斜地が多いものの、盆地の北東から東にかけて流れ込む笛吹川、重川、日川が形成する扇状地が複雑に入り込んでいる。斜面の向きも土壌も多様、土壌は基本的には高くなるにつれて、粘土質をおおく含む。ぶどう園は標高300m-600mに拓かれている。

甲州市塩山地区 (標高400~600m)
甲府盆地の北東の端で笛吹川と重川に挟まれた一帯に重川の左岸の一部が加えられたエリア。急村名である奥野田、松里、千野一帯になる。土質は地力のある砂土に粘土が混ざる。ゆるやかな傾斜地と急斜面の両方がある。甲州に加えてデラウェアも栽培されている(日本においてデラウェアの栽培が始まったのが、塩山地区の奥野田である)

甲州市勝沼町 (標高300~600m)
生食用、ワイン用を問わず、甲州ぶどうが集中して栽培されており、ぶどう棚が一面に敷き詰められた光景が広がっている。勝沼町は、勝沼地区、東雲地区、菱山地区、祝地区の4つの地区に区分される。
もっとも代表的な勝沼地区は、傾斜地と平坦地の両方があるから南から南西斜面で日照時間が長い。土壌は褐色低地度と火山灰土壌。鳥居平は高台に位置するこの勝沼地区内の子字名。祝地区は勝沼区とは斜面の向きが正反対で北から北西斜面。甲州ぶどう発祥の地とも言われ、甲州ブドウが集中して栽培されている。勝沼銀座と言われるようにワイナリーが12件と集中している。菱山地区は、西から南西向きの斜面で勝沼地区でもっとも標高が高く、寒暖差も大きい地区。山から吹き降ろす風により気候は冷涼。土壌は粘土質。

甲州市大和地区(標高450~500m)
勝沼の大善寺から大和の景徳院に位置する大和共和地区、まとまった面積で甲州ブドウが栽培されており、大半がワイン用、土壌は粘土質。

山梨市牧丘から万力/笛吹市春日居地区
笛吹川の右斜面で下流に向かうにつれて、斜面の向きは南東から南に変わる。基本的には粘土質が多い。甲州に加えて、マスカット・ベーリー A、ブラック・クィーン、デラウェアなどが栽培されている。

笛吹市一宮町、御坂町、矢代町地区
京戸川や金川などによって形成された扇状地の裾野。小字である伊勢原は御坂町内で、金川左岸の段丘に位置しており、土壌は砂礫質。品種は甲州やマスカットベーリー Aなど。

甲府盆地中央部
中央部は甲府市の里垣、旧玉緒、甲運の一帯。ワイナリーは6軒前後になる。一帯は甲府盆地の底部に位置しており、県内のワイン用ブドウの産地としては例外的。地下水の水位も高く、土壌はグライ土という粘土の一種で水分を多く含む、水はけの良いところを選んでブドウは栽培されている、甲州ブドウの収穫時期も早めで、かつては新酒の原料として人気を博した。近年はスパークリングワインの原料として使う生産者もいる。

甲府盆地北西部
2000年ごろから新たな畑が次々と拓かれている注目のエリア。北杜市(明野町、小淵沢町、須玉町)、韮崎市(穂坂、上ノ山)、甲斐市を含む。甲府盆地の北に位置する茅ヶ岳の裾野から塩川まで続く南斜面と八ヶ岳山麓を含む。粘土質もしくは、火山灰土の下層に粘土質があるため、傾斜地は水が抜けるが平地は水はけが悪い。
標高が上がるにつれて、甲府盆地の他の地区に比べて、気温も降水量も下がり、日照量に恵まれる、そんため韮崎市穂坂町ではマスカット・ベーリー Aやカベルネ・ソーヴィニョンなどのヨーロッパ系品種が主に取り組まれている。最近になってこれらのブドウを使ったワインの評価も上がってきている。また甲府盆地の東部や中央部にワイナリーを持ち、ここに自社管理農園を持つ生産者も増えている。また甲州の垣根栽培が始めて本格的に取り組まれたのもこのエリアになる。さらに甲斐市には、100年以上の歴史を持つ、大手メーカーのブドウ園が続いている。

甲府盆地西部
南アルプス市の白根町、八田一帯。南アルプスに水源を持つ御勅使川が西から甲府盆地に流れ込む一帯の広大な扇状地で、主に川の右岸になる。背後に急峻な南アルプスの山を背負っているために、大きめの角張った礫を多く含む砂質土壌になり、非常に水はけがいい。甲州ブドウが主要品種。近年、このエリアにもワイナリー設立の動きが活発化している。

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