Château Margaux 1984 シャトー マルゴー

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ChatMarga1984.jpgChâteau Margaux 1984 シャトー マルゴー

外観 エッジにオレンジが入った中等度の色のガーネット
香り 杉の香り、黒い果実(ブラックカラント、カシス)、ハーブ、すっと抜けるミント、タバコ、シガー、鞣し革、トリュフ、
味わい 柔らかで熟した果実と酸のバランスが取れた味わいが口の中に広がる。綺麗で凝縮した果実感、豊かな酸、そしてタンニンがこなれて渾然一体となっている。果実の凝縮さには強いパワーは感じないが、全体に綺麗な熟成感を持ち美味しい。余韻も長くミネラル溢れ、旨味が詰まっている。

1984は余り良い年ではない。パーカーポイントを見ようとしてもボルドー4版には載っていない。しかしさすがシャトー マルゴーである。最初の香りから、お!マルゴーの香りと思える豊かなで上品な杉の香りと新樽が渾然一体となった香りが溢れている。未熟果の香りも味わいがまったくないのである。そしてまだ力強い。2時間くらいかけて飲んだが、最後まで味わいは落ちなかった。
この年は春の天候が不良で発芽の早いメルロはほぼ全滅、カベルネ・ソーヴィニョンお強いミルランダージュが起きている。つまり熟した良質なカベルネ・ソーヴィニョンを収穫したシャトーには素晴らしいワインを作るチャンスがあった。そしてパーカーは大のメルロ好きである。彼にはメルロのないボルドーはこの時代許せなかったのだろう。だから点数を付けるのを間違えた可能性がある。確かにパーカーはこの年のベストワインにはマルゴーを入れてはいるが。
これだけよそうが外れて美味しい時は、笑いが止まらない。そしてこのヴィンテージのマルゴーは、保存状態が良ければまだまだ持ちそうな力がある。

1984年は4月に暑く天候がよかった。しかし5月に比較的寒く、雨が降った。これは比較的発芽が早いメルロに大打撃を与えた。しかし7月は乾燥して暑かった。カベルネ・ソーヴィニョンは、小さな果実でよく熟した。9月の終わりにはサイクロンが遅い、10月の初旬には天候が回復して収穫した。1984年のヴィンテージは、カベルネ・ソーヴィニョンの小さな果実から、タニックで酸が高いのだが、それにバランスをとるためのメルロが大打撃を受けてブレンドできなかった。そのため、豊かなで魅力のある果実感に欠け、カベルネ・ソーヴィニョンからの未熟なハーブの香りがして色が濃いワインになってしまった。

テイスティング: 2016年12月27日
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