Château Margaux シャトー マルゴー 1982

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chaMarga1982.jpgChâteau Margaux シャトー マルゴー1982 

外観 エッジにオレンジがあり、ややグラデーションが広がっているコアがガーネット色
香り 香りは豊か、杉、ハーブ、カシス、スパイス、やや土の香り、複雑な香り
味わい 柔らかい、酸、タンニン、旨味が渾然一体となった液体である。口の中に旨味が広がる。タンニンは細かでさらさらとしたものを感じる。シルクのように流れて行く。余韻は、本当に長い。旨味の波が何度も押し寄せてくる。これほど余韻が長いワインはあまり飲んだことがない。

昨年も1982年のマルゴーを飲んだのだが、蔵出しで素晴らしい状態だったのが、それが災いしてどこまで待っても開いてくれなかった。
これは、素晴らしく香り今が飲み頃と言っていい状態だった。これほど素晴らしいマルゴーに出会うことは、今後もそうないだろう。

再度1年後に飲んだが、1982のマルゴーを再度飲める幸せをかみしめながら楽しんだ。外観は確かにエッジにオレンジがあるが、まだまだ熟成に耐える色である。香りは本当に豊かである。そしてこれぞマルゴーという複雑な香りである。乾燥したイチジク、杉、香りのトーンが深いスパイスの香り、奇麗なカシスがあり、スワリングしたり、口の中で空気を入れて飲むと赤い果実香りがあがるし、上に抜ける奇麗なスパイスが香る。なめし革はやっぱり高級感のあるバッグのような香りである。味わいは、やっぱい非常にバランスのよい液体である。飲むと柔らかく豊かな酸がある。軽く飲めてしまうのだが、液体が非常にきめが細かいことがわかる。これぞマルゴーである。あ、美味しい液体だと思っていると、その後にすごい強い余韻が押し寄せてくる。この余韻が非常に長いのである。これだけ奇麗なバランスですいすいと飲めてしまうのだが、最後の最後に液体がグランヴァンであること訴えかけてくるのである。1982は、シャトー マルゴーのなかでもこれぞマルゴーの究極の味わいかもしれない。エレガントなワインというのはこれを指すのだろう。

1982 パーカーポイント 98+
一度は1983年の方がより古典的でより良好な作品かと思ったものだが、私も人間だということだ。1982?年のワインは1983年を追い越して、誰が見てもわかるほど優れた作品となっている。一生の始まりはいささかごつい体躯をした力強い男性的な粗雑とさえ言えるスタイルをしており、タンニンのレベルは高く巨大なエキス分や、豊かさがあったものだが、どんどん都会的になっていき、タンニンも継ぎ目がなくまとまっている。光を通さないほど濃い紫/ガーネット色をしており、ほのかなお香、甘いトリュフ、燻煙、ブラックカラント、花、湿った土を思わせる。非常にフルボディで、グリセリン、エキス分、タンニンのレベルは特筆に値する。たぶんメッツェンブロス家の管理下では最もスケールの大きな、最も凝縮感のあるシャトー・マルゴーだ。もっとも純粋なフィネスやエレガンスの点では2000年や1996年、1990年と肩を並べるるようになるか疑わしい。タンニンのレベルは高いのだが、どうやらこのヴィンテージらしい古典主義はないようだ。それでも急速に力をつけてきているし、空前の、心動かせる一つとなりつつある。予想される飲み頃。 ~2035年


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テイスティング: 2013年5月 4日
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