Château Mouton Rothschild 1975 シャトー ムートン・ロートシルト

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

ChMouRoth1975.jpg

外観 オレンジが入ったガーネット色
香り 杉の香り、ミント、ブレット、スパイス、土の香り、なめし革
味わい やや甘さを感じさせるタンニンはこなれた質感をもっている。液体はムートンにしてはやや凝縮感がないが、果実味はしっかりある液体である。1975と思えない若さを感じる。余韻は長いが、きめ細かな洗練したテキスチュアーを感じない。
これは、ブラインドなくオープンで飲ましてもらったワイン。いつも貴重なワインを飲ましてもらって感謝、感謝である。
1975年はまだまともな点数がついているが、1970年代はあまりムートンが良くなかった年である。パーカーの4版にはこの1975年と1970年しかコメントがない。1973年には1級に上がったわりには、このころは醸造の問題があったのだろう。どこかこの1975年もひっかかるところがあるんだが。
1975年は、
大いなる裏切りの年というか、それともいくつか文句なしで古典的なワインが生産された年と言うか。1983年や1964年と並んで、おそらく最も把握しづらいヴィンテージなのかもしれない。否定しようもなく偉大なワインもあるのだが、全体的な品質のレベルは悲惨なほどムラがあるし、失敗作の数も無視できないほど多いのである。
1975 P.P. 88
この十年は閉じて、恐ろしくタニックだったが、ようやく潜在能力をいくらか見せるようになってきた。ワインには良好な暗いルビー/ガーネット色と、西洋杉、チョコレート、カシス、スパイスの甘いノーズや良好なブドウの完熟感のある果実味とエキス分、重みのあるスケールの大きい、タニックなフィニッシュを見せる。未だに成長していないが、タンニンのマントを脱ぎ捨てて、いっそうの複雑さやバランスを見せるようになってきた。果実味がいつまで持つだろうという心配は今でもあるが、世紀の変わり目頃には間違いなく高原部にたどり着くはずだ。おおむねがっかりさせられるものとなった1970年代ムートン・ロートシルトの状況からすると1970年代の偉大なワインに負けるが、これは、このシャトーにとっては興味をかき立てられないものとなった1970年代における明らかに2番目に最良のムートンである。

大きな地図で見る
テイスティング: 2012年12月23日
My Rating(評価): 13/20
アクセス数:266