Château Pape-Clément 1982 シャトー パプ・クレマン

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ChPC82.jpg1982のブスコーを飲んだ後開けたのが、パプ・クレマン 1982。もうだいぶよっていたのでテイスティングコメントが不確かである。僕には、グラーブを比べたというより二つのワインの作りが同じ地区でもかなり違っていることを感じたのだが。
外観 オレンジがかったエッジに少しグラデーションのかかったガーネット
香り 土の香り、カベルネからくるハーブ、スパイス、樽の香り
味わい 口に含むと柔らかい果実の味わい、まろやかな酸が広がり、こなれたタンニン最後にある。余韻は長い。ただブスコーに比べるとその味わいに新しい発見はなくあれという感じになる。
1982は、パーカに言わせれば、ペルナール・プジョルが雇われる前で、品質の低下が著しかった時代である。近くのオー・ブリオンや、ラ・ミッション・オー・ブリオンは揃って高得点を上げているが、このパプ・クレマンは、ぞっとするようなワインだし、カビ臭いとこき下ろしている。
僕には、そこまでかび臭さを感じなかったが、やや選果が悪く、良年の割に青臭さがあると感じた。1986年は飲んでいるが、逆に新樽の強さがつよく、ペサック・レオニャンらしさがない感じがするのだが。
パブ・クレマンの名の由来は、ワイン好きなら誰もが知っているシャトーヌフ・デュ・パプのパブ(法王)と同じクレマン5世を指している。かれは、1299年にこのパプ・クレマンを手に入れ、その6年後法王となり、アヴィニヨンに移った。そこで、シャトーヌフ・デュ・パプが作られることになった。
パーカー ボルドー4版より
1937年の凶暴な嵐のような雹で完全に打ちのめされてしまったブドウ畑は、1939年にこのシャトーを購入した、卓越した農業工学者であったポール・モンターニュによってよみがえった。現在、シャトーは故モンターニュの相続人が管理しており、運営は、ベルナール・マグレが担い、多大な情熱とエネルギーを注ぎ込んでいる。
1950年代、1960年代、そして1970年代初めにはパプ・クレマンの品質を疑う者などいなかったのだが、細部への注意不足や、設備への投資を怠ったことから、1975年以降、質の低下が深刻なものとなった。その後の10年にこのシャトーがつくったワインはしばしばカビ臭く、新鮮さに欠け、早い話が出来の悪いものだった。貧弱から凡庸なワインが続いたが、それは1985年、若くて熱心なベルナール・プジョルが雇い入れられて終わりを告げた。プジョルには、パプ・クレマンの品質を復活させるための全責任が与えられ、その最初の結果が深遠なる1986年に表れた後は、偉大なオー=ブリオンやラ・ミッション・オー=ブリオンに近づき、肩を並べるほどになってきている。プジョルは1990年代の後半に辞し、ベルナール・マグレは聡明なワイン醸造コンサルタント、ミシェル・ロランを雇った。
パプ・クレマンは極度に軽い、砂利質の土壌の上にあり、よくできたときには魅惑的で抗しがたいブーケがあり、タバコとミネラルの強い香りと混じり合ったたっぷりとした黒系果実の香りがする。メルロの割合が比較的高いため、ごく若いうちから飲めるし、最高のヴィンテージには数十年間熟成し続けるものもある。1980年代後半の5年でパプ・クレマンはボルドーの花形の1つになり、2001年、2000年、1998年、1996年、1990年、1988年、1986年といった深遠なワインを生み出した。
<赤>
平均年間生産量:9万5000本
畑 面積:30ha、平均樹齢:27年、植樹密度:8000本、平均収量:39hl/ha
育成:コールド・マセレーションは3日間。発酵とマセレーション(カベルネ・ソーヴィニョンについては26~29日間)は温度管理された木製槽で行う。ビジャージュは手作業。マロラクティックと20ヶ月の熟成は新樽で。清澄はしないが濾過はヴィンテージによる。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン58%、メルロー42%
所有者:ベルナール・マグレ
シャトー パプ・クレマンのサイト http://www.pape-clement.com/
テイスティング: 2011年6月24日
My Rating(評価): 14/20
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