Château Bouscaut 1982 シャトー・ブスコー

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CBu82.jpg1982年シリーズの飲み比べの一つ ペサック・レオニャンで。
外観は、エッジがオレンジで奇麗なグラデーションのかかったレンガ色、まだコアにはガーネットがある。
香り スパイスが一杯、スッとるすシダ、アニス、土臭い香り、ブレットが心地よいアクセントである。
味わい 最初に甘さがありその後に酸が広がる。後味にも甘さと酸がうまくバランスよくありミネラルも強く感じる。余韻も長い。
後味のタンニンがここまで甘く感じるのは、まさに飲み頃、ピークを迎えている。酸も奇麗に残っている。
ボルドーの町から7km南のカドジャックにあり、グラーブのシャトーではガロンヌ川に近いところにに位置している。。その歴史は17世紀までさかのぼり、1953年と1959年の格付けの際に赤白ともにグラーブ特級に格付けされた。
1979年にチャールズ・ヴォルステッター氏を代表とするアメリカのシンジゲートからリュシアン・リュルトンが買収し、ブドウ畑と醸造設備に手を入れるようになる。
1990年には円形の醸造所が完成、1992年からは娘のソフィー・リュルトンに経営が委ねらた。
ブスコーの地質は、石灰質地層の上に粘土砂礫土壌で形成されている。
AOCはペサック・レオニャンですが、AOCペサック・レオニャンとして表示されたのは1987年ヴィンテージから。1982は、ある意味希少なグラーヴAOCの頃のブスコーである。パーカーの評価は総じて低い、これは、メルロー中心のワインであるが、ミシェル・ロランがコンサルタントに入っていないからだろう。リュルトンは、ブラーヌ・カントナック、クリマンなどを所用している。パーカーは、ブラーヌ・カントナックとブスコーについて葡萄の選果が不十分と言っている。この点については、現在では改善されているだろう。
シャトーブスコーは、メルロー約50%が主体で造られ、カベルネ・ソーヴィニヨンが加えられマルベック、コットを最後に5%ほど足される。
品種がかなり特徴的で、ペサックレオニアンでもカドジャックにあり、かなりワインとして個性が出やすく当てやすいかもしれない。ただこのワインはマイナーであるのでこのワインが出題されることの方が珍しいかもしれない。
1982は、総ての葡萄にとって理想的な完熟をした年であるが、グラーブの評価は、低めである。これは、パーカのペサック・レオニャンの総評に書かれている。
今回のテイスティングでは、思ったよりも質の高い1982年のワインであった。そして
ミッシェル・ロランの手がかかっていない個性的なところがよい。
パーカー ボルドー4版より
ペサック・レオニャン、そしてより広くはグラーブ全体にわたる一帯は、ボルドーが凡庸ないし貧弱なヴィンテージに探求すべき地域である。水はけが申し分ないため1994年 1993年 1987年 1974年 1964年 1958年など、メドックのワインの多くが水っぽくて期待はずれだった年でも、ラ・ミッション・オーブリオン、ドメーヌ・ド・シュバリエ、オー・ブリオンといったシャトーでは、健全で比較的よく熟した葡萄からすばらしいワインを生み出したものである。
その一方で、非常に暑くて干ばつ気味の年は、メドック北部や、サン・テミリオン、ポムロールといった地域では卓越したワインになることが多いが、グラーヴの畑には、ストレスがかかりすぎて、葡萄が熟す段階で障害が出ることが多い。最近では多くの卓越したワインを産んだ1990 1989 1982などで、他のどの地域にも比べてグラーヴに一貫性がなかった理由は、まさにここにある。
シャトーブスコーのサイト http://www.chateau-bouscaut.com/
テイスティング: 2011年6月24日
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