Château Margaux 2006 シャトー マルゴー

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ブラインドテイスティング
縁にまだ紫色がある濃いルビー色。閉じた還元臭の香りが支配的だったが、次第に、果実の香り、カシス、スパイスなどが立ち上がって来た。口に含むと香りに期待していたよりもはるかにずっとまろやかである。後味にきれいな旨味がある。
このまろやかさを、パワーのなさと感じてしまい、やや果実の濃縮感が少ないと結論づけてしまった。どこにも角がない球体を経験するとその主張のなさに、グランヴァンとはまだ思えない。しかしこれこそが完全なバランス、球体、フィネスと言うものなのだろう。しかしそこまで自分では感じられない。まだまだ修行が足りない。
しばらくして非常に上品な樽香が上がって来た。
パーカー96点
たしかに今でも飲める、しかしもっともっと熟成させたいワインである。
シャトーマルゴー2006のコメント (シャトーマルゴーのサイトより)
2006は非常に天候がよく、特にカベルネ・ソービニヨンの熟成には、非常に良く適した年だった。すばらしく熟した果実を生かした、、厳選したブレンドを行うこととなった。全体の葡萄の36%のみが、シャトーマルゴーに使われた。最終的にメルローは、全体の4%のみとなった。これほどメルローの比率が少ないのは始めてだった。プチ・ベルド4%、カベルネ・フラン2%は通常通りの比率である。この比率は極わずかであるが、これこそマルゴーの複雑さをだすのに必要なのである。そのためカベルネソービニヨンは90%の比率となった。これは、2005年に次ぐ特に際立ったアロマのフィネスと、タンニンのリッチさをもたらした。特に、濃密な木目の細かいテキスチュアーもある。余韻は非常に長く、やや硬めではあるが、すでに果実がぎっしり詰まっていることを感じさせ、新鮮で生き生きとしている。1996の優雅さと純粋さを持ち、2004の伝統的な新鮮さをもち、1986や1995の崇高な力持つ。こうしたバランスが、まさにシャトーマルゴーの高貴なテロワールを、生き生きと表現している。(12月 2008)
シャトーマルゴーの歴史については、詳細はシャトーマルゴーのサイトに英語、フランス語で書かれている。残念ながら日本語の記載はない。
歴史の概略  (シャトーマルゴーのサイトより) 
シャトー・マルゴーが歴史上最初に文献に登場するのは12世紀のことである。当時は「ラ・モット・ド・マルゴー」の名で呼ばれていた農園であった。その当時は、葡萄の木はなかった。
1570年代にピエール・ド・レストナックの所有となり、メドックワインの将来を予感して、1572年から1582年の10年間で、穀物畑を放棄しブドウ畑にし完全に作り直した。
ルイ15世の治世、愛妾ポンパドゥール夫人がシャトー・ラフィットを宮廷に持ち込むと、その次の愛妾デュ・バリー夫人はシャトー・マルゴーを宮廷に持ち込み愛飲したのである。18世紀末期、大富豪ジョゼフ・ド・フュメルと娘のマリー・ルイーズの所有となったが、この親子はフランス革命のためギロチンにかけられ、シャトーは革命政府に没収された。1801年、シャトーはド・ラ・コロニラ侯爵の手に渡った。ド・ラ・コロニラは当時一流の建築家ルイ・コンブに依頼し、エチケットの絵柄ともなっている壮麗なギリシア神殿風のシャトーの建物を1810年に完成させた。
1855年のメドックのワインの格付けが実施されたとき、シャトー・マルゴーはブラインドテイスティングで唯一20/20点を獲得し、シャトー・ラフィット、シャトー・ラトゥールに次ぐ第1級第3位にランクされた。
1934年、シャトーはボルドーのネゴシアンであるジネステ家の所有となった。ジネステ家はセカンドラベルを導入したり、ブドウ畑を拡大したり、醸造設備への投資にも熱心に取り組んだ。しかしシャトー・マルゴーは1960年代から1970年代にかけて一時期その名声を落とす。
1976年にジネステ家からシャトーを買い取ったギリシャ人アンドレ・メンツェロプーロスは各国での事業で財を成した実業家であった。メンツェロプーロスはボルドー大学の醸造学者エミール・ペイノーを技術顧問に迎え、シャトー・マルゴーの名声を取り戻していった。2006年現在、シャトーは娘のコリーヌ夫妻と総支配人ポール・ポンタリエの手によって運営されている。
シャトー・マルゴーは、かつてはカベルネ・ソーヴィニヨン75パーセントを主体に、メルロー20パーセント、プティ・ヴェルドとカベルネ・フラン5パーセントを基本的なブレンドの比率としていた。だが2000年前後からやや傾向が変わり、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を83パーセントから86パーセントまで引き上げ、代わりにメルローの比率を落としている。
シャトー・マルゴーのサイト


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