山田和樹 マーラー・ツィクルス 日本フィルハーモニー交響楽団 第7回 Bunkamuraオーチャードホール 2017.5.14

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

山田和樹 山田和樹 マーラー・ツィクルス 日本フィルハーモニー交響楽団 第7回 Bunkamuraオーチャードホール 2017.5.14

東京エレクトロンpresents 山田和樹 マーラー・ツィクルス ≪第3期 昇華≫ 第7回  日本フィルハーモニー交響楽団 第7回 Bunkamuraオーチャードホール 2017.5.14

武満 徹:夢の時
マーラー:交響曲 第7番 ホ短調「夜の歌」
第1楽章 Langsam (Adagio) - Allegro risoluto, ma non troppo
第2楽章 Nachtmusik I. Allegro moderato
第3楽章 Scherzo. Schattenhaft
第4楽章 Nachtmusik II. Andante amoroso
第5楽章 Rondo-Finale. Allegro ordinario

どうしても武満徹は眠ってしまう。マーラーも長ったらしいの眠ると人が多いと思うんだが。
いつも面白いのは、山田和樹によるブレトークである。
これが非常に楽しい。彼のマーラーの解釈、7番の説明、そして武満 徹の説明もあってこれが納得することばかり。
マーラーの交響曲のなかでもあまり人気のない作品と言われている。録音も少ない。なるほどと演奏を聴いた後に思った。

でも今回のマーラー交響曲 第7番はすこし僕のイメージとズレていた。もっと夜の歌らしい雰囲気があるのかと思っていたのである。それがないのは第5楽章があるからだろうか。ハ長調だからとても夜の雰囲気が出ない。確かに山田和樹も夜の歌と言う題名が合わないというようなニュアンスで話していた。
第1楽章 から第4楽章までは繋がりがあるように思えるのだが。最後に来て今回の演奏では、第5楽章の演奏は華やかで快活、最後まで盛り上げていくのだが、やや一本調子でつまらなく感じてしまった。ただ僕にはもっと解釈が違うような気もするんだが。もっと第5楽章を繊細に解釈すれば、違う結末が待っているような気がする。

マーラーの交響曲 第7番 の評について色々読むと、構成的に難があるとか、性格が突然変異したようなこの華やかなフィナーレは、華麗な現象と中身の薄い内実との間の無力な不均衡と言われたりしている。なるほど多くの人が第5楽章について疑問を持っているんだ。

僕は、エリアフ・インバル指揮のフランクフルト放送響や、アバド指揮のベルリンフィルを聴いていたのだが、もう少し違うものが聞こえてきた感じがあるんだが。もっと繊細で細やかな音の変化があった気がした。そこには、物語性というよりは音楽性の完成があり、それが歓喜で終わる感じなのだが。

My Rating(評価): 17/20
アクセス数:5