ミュージカル「キャバレー」KAAT神奈川芸術劇場 2017.1.28

Cabaretkanagawa.jpgミュージカル「キャバレー」KAAT神奈川芸術劇場 2017.1.28

上演台本・演出: 松尾スズキ
サリー・ボウルズ:長澤まさみ
MC:石丸幹二
クリフ:小池徹平
シュルツ:小松和重
エルンスト:村杉蝉之介
コスト:平岩紙
シュナイダー:秋山菜津子

長澤まさみの歌声にびっくり。あんなに歌えるんだ。声に伸びも声量もあって素晴らしい。やっぱり長身、スタイルいいね。やっぱりクリフ役の小池徹平が小さく見えてしまうのは仕方がないか。
このミュージカルキャバレーは、すこしストーリーの流れが悪いのは以前見たときからそうなので仕方がないんだが、クリフとサリーが付き合いだして、一緒に暮らして最後に別れる流れがなにか釈然としない。これは映画のキャバレーを見るとすこし理解できるのだが。
今回もそこがあまりわからず、どちらかといえば、ドイツ人家主フロウライン・シュナイダーと年上のユダヤ人果物店店主ヘア・シュルツの恋の行方がかなりウェイトを占めていて、クリフとサリーの話はしり切れとんぼ的である。

シュルツを演じる小松和重が面白くて、幕間に出てきて早く席につけと観客をせきたてるところが面白い。ただ、ギャグというか観客を笑わせることが主体で、なんというか本当のこのキャバレーの魅力が見えてこなかった。
このミュージカルキャバレーの一つの魅力は、ナチスの支配がまだないころのワイマール共和国時代のベルリンの退廃的なキャバレーの様子を描くことである。そこがギャグになってあの一種異様な雰囲気が出ていないのである。


歌姫サリー役の長澤まさみをはじめ、キャバレー"キット・カット・クラブ"のMC役に石丸幹二、サリーの恋の相手クリフ役に小池徹平と、キャストを一新しての上演。

昔ブロードウェイでみたキャバレーを思い出した。
ブロードウェイのキャバレーでは、あたかも観客がキャバレーにいるかのような臨場感がある席である。日本のキャバレーは当然というかなぜか、観客席と舞台が分かれている。
ブロードウェイのキャバレーが、あれだけ舞台を観客席に近くに設定できるのは、オーケストラピットがなくて、舞台の2階に楽団のステージを設けてあるからである。
そこが一つミュージカル、キャバレーの魅力で、観客があたかもベルリンにあるキャバレーの客になったような気になるのである。

ミュージカル キャバレー
キャバレーは昔からあるミュージカルで1966年にブロードウェイで初演されたミュージカルで、アメリカのクリストファー・イシャーウッドの短編、さらばベルリンを、イギリスの劇作家ジョン・ヴァン・ドゥルーテンが私はカメラという戯曲にしたものをベースにミュージカル化された。

映画 キャバレー(Cabaret)は、1972年にアメリカで制作されたミュージカル映画。ボブ・フォッシーが監督し、ライザ・ミネリ、マイケル・ヨーク、ジョエル・グレイが出演した。同年度のアカデミー賞ではサリー役のライザ・ミネリの主演女優賞、舞台版と同じMC役を演じたジョエル・グレイの助演男優賞など8部門を受賞した。

My Rating(評価): 14/20
アクセス数:205