アズミ・ハルコは行方不明 2016

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アズミ・ハルコは行方不明アズミ・ハルコは行方不明 2016

監督: 松居大悟
原作: 山内マリコ
出演: 蒼井優, 高畑充希, 太賀, 加瀬亮

これは女性のための映画だろう.アズミ・ハルコは行方不明の原因は何か、集団で男に暴力を振るう女子高生は一体何者なのか。その謎が観客の興味を引っ張っていく。
街中に突如現れた女の顔のグラフィティアート、それは 蒼井優の顔なんだが、不思議な力があるような気がする。

春子はある日突然行方をくらます。でもこれがいつ起きたかわかりにくい。
ストーリーは過去(春子が行方不明になる前に働いて時期)と行方不明になった後に、ポップアートのように行方不明の女性を壁に描く学、富樫、愛菜と、過去から現在につづいて男を誘い暴力を加える女子高生集団が描かれている。
この三つのストーリは絡み合いながら女性の弱さと若い高校生の強さが描かれている。

安曇春子は、田舎の小さな会社で働くしがないOL。近所に住んでいる幼馴染の蘇我が気になり、恋人関係になる。
愛菜はかわいいくてそれなりのプライドをもっているが、寂しがりやで男が必要。同窓会で再会したユキオと付き合い始め、夜に町中の壁に落書きポップアート)を始める。
二人とも男が必要であり依存しているのだが、最終的には、ハルコは、蘇我がハルコの知り合いのひとみと不倫していることを知り、行方不明になる。
愛菜は、学とホテルに行った時につきあっているユキオが愛菜のことをどうとも思っていないことを知り逆上する。そして彼らが作った公園のポップアートを燃やす。
二人とも男から捨てられる。そして愛菜は、行方不明になっていたハルコが、キャバクラの先輩の今井と一緒にいることに出会う。

ハルコも愛菜も寂しさの中からなにか自分の幸福を探しているのだが、うまく行かない。女子高生のように男に暴力を振るう力もない。その対比が面白いのだが、結末はポップアートのような軽さやオリジナリティがないのが残念である。
蒼井優はいつものように彼女のままの演技にリアリティがありいい。高畑充希も男に振り回される可愛そうな女性をうまく演じている。

最終的には、やはり真剣に見ていないと理解しにくい映画である。最後にある不思議な終わり方も、もう少し爽快さがあるといいのにと思う。

My Rating(評価): 14/20