The Boy in the Striped Pyjamas 縞模様のパジャマの少年 2008

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The Boy in the Striped PyjamasThe Boy in the Striped Pyjamas 縞模様のパジャマの少年 2008

監督: マーク・ハーマン
出演: エイサ・バターフィールド, ジャック・スキャンロン, デヴィッド・シューリス, ヴェラ・ファーミガ, アンバー・ビーティーアンバー・ビーティー

僕にはこの映画は腹立たしくて仕方がない。結末がまったく気味が悪い。
テーマはと言われとナチスのユダヤ人に対する大量虐殺の悲惨さを訴える映画ということになるのだろうか?それともドイツ人将校の家族に対する罪の報いを描いているのだろうか。それもドイツ人将校の子供がガス室に送られるほうが、ユダヤ人の子供が送られるよりももっと悲惨であるかのような印象を持たせる。大きな悲劇が起きていたのに、小さな悲劇にショックを起こさせるようなストーリーである。なんだかこの話はおかしい。この映画は救われないというか、最後の結末があまりに観客を置き去りにする。
そしてユダヤ人の捕虜収容所の警戒ががあんなにも簡単に子供たちに寄って破られるとは。これも現実的でない。

僕なら結末はあのようにはしないだろう、ガス室前でブルーノは助けられるが、ガス室の中で行われる悲惨な出来事を実感して、友達を失う辛さ、父がどんな無慈悲なことをしているかを実感しながら収容所を離れるようにするのに。

この映画の中で、結局はブルーノの愚かさが僕には気になるし、気に食わない。ブルーノが物語の展開に都合良く出来ていることに現実感がない。
ユダヤ人の友達を作ることとあの時代の反ユダヤ教育と分離して考えることができるのだろうか。8歳の年齢なら、盲目的に教えられたことに従い、ユダヤ人を嫌う態度をとって良い子と褒められる自分に陶酔する傾向があるはずである。

そして囚人の格好をして収容所に入るような馬鹿な真似をするだろうか。あの時代、子供はもっと敏感に危険を察知することできたはずである。現代のような感覚ではない。ユダヤ人に対する扱いを目の当たりに見てきたはずのに。彼の行動はどこか、あの時代の8歳のドイツの子どもが持てないようなヒューマニズムを持っていながら、8歳以下の愚かさを持っている、あまりにストーリー展開に都合よく作られた子どもである。


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