千利休 本覺坊遺文 1989

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千利休 本覺坊遺文 千利休 本覺坊遺文 1989

監督: 熊井啓
原作: 井上靖
出演: 奥田瑛二, 三船敏郎, 萬屋錦之介, 加藤剛, 芦田伸介
第46回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞

この映画は小説と構成が異なる。ただ監修に井上靖も入っていたので原作者の意図をかなり改変しているわけではなさそうである。
本覺坊と織田有楽斎の対話が中心で描かれている。
小説では別の人物が語っていたことが、織田有楽斎が語るようになっているところもある。井上靖が誰に語らせたかったからだからそれもいいだろう。
古田織部の切腹シーンと利休の切腹シーンが入っている。
それと利休が最後に茶を点てる時に、多くの人がその場に座る様が描かれているのは面白い。
映画的にはなるほど織田有楽斎が、利休、宗二、古田織部の後を追って今際の際で切腹の真似事をして死んでいく。これは僕には納得できない演出である。死を賜ってこそ、そこで静かに過ごして茶を点てることが茶道の極意なのだから、自分が死ぬ間際に自分も切腹して奥義を極めたかったと言うのは違う。それに織田有楽斎の茶は織田有楽斎の茶である。彼は別の極め方があったはずである。
奥田瑛二の本覺坊はぴったりである。
三船利休は風格がありすぎるかな。どうだろう。座った感じはいいね。
萬屋錦之介の織田有楽斎も貫禄がありすぎるのだがそれもいいか。
加藤剛の古田織部はビッタリの感じである。
芦田伸介の豊臣秀吉はなんか間の抜けた殿様の感じでピンとこない。



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