利休 1989

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利休 1989利休 1989

監督: 勅使河原宏
原作: 野上彌生子
出演: 三國連太郎, 山崎努, 三田佳子, 松本幸四郎, 中村吉右衛門, 田村亮

秀吉と利休原作の映画である。三國連太郎の利休がやっぱりいい。山崎努の秀吉は自分のイメージとはすこし外れている。
千利休と秀吉の確執は、以前に小説で読んでいる。その描き方の素晴らしさが印象に残っているので、この映画を見るのに影響するのは確かである。調べてみたがおそらく井上靖の本覚坊遺文だろう。これも全く同じ時期に映画化されている。これは偶然なのだろうか?
秀吉が、利休を嫌いになっていく過程が、彼らの精神的な確執が上手く描かれているのだろうか。僕はそこが消化不良気味なので十分堪能できたとは言い難い。
利休についての小説は、いつも秀吉が利休に切腹を命じたか、そして利休がいいわけもせず切腹を選んだ理由を説明する。
今回は石田三成らに、御茶の席で徳川家康の毒殺を命じられるがそれを拒否したことも理由になっているが。あまりに強引のような飢餓する。徳川家康を招いて御茶の席を開いたのは秀吉の怒りを買ったのは確かだろう。その後利休の周囲が一変するのであるから。ただ毒殺を命じたとするのは、あまりの飛躍だろう。
確かに利休が秀吉に意地を見せたのでもあるが、それは宗二の死が絡んでいると考えるのは当然の成り行きで良いのだが。

映画で素晴らしいのは、利休が秀吉が持ってきた花を上手く生けるシーンである。生けるというよりは飾るのである。それは秀吉の想像を超えているし、観客もハッとする。

衣装デザインは『乱』(1986年)でアカデミー賞を受賞したワダエミ

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