大阪物語 1957

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osakamonogatari.jpg大阪物語 1957

監督: 吉村公三郎
原作: 溝口健二, 井原西鶴,
出演: 中村鴈治郎, 市川雷蔵, 香川京子, 勝新太郎

この話は面白い。さすが浪速の商人である。これが井原西鶴の日本永大蔵が元になっているのもなるほどなるほどと納得してしまう。僕は花登筺の細うで繁盛記やどてらい男を見て育ったので、大阪の商売について理解してたつもりだけど、元祖は井原西鶴なんだと思えるほどの内容。
仁兵衛のケチぶりが面白いのだが。コメディではない、真面目なストーリーである。ただ最初の仁兵衛は、それほどケチではなく、貧しくて親子4人で首つる覚悟をして田舎から逃げてきたのだが。近江屋という店を持ってからは自分が一人で儲けたような態度になっている。そこが情けないのだが。ケチさはそれはそれでいいのだが、いつからケチになったのか全くわからず。確かに拾った米は売って、別の食事をしていたのはケチの証拠なんだが。
それにしても最後に仁兵衛は狂ってしまうのだが。それで終わってしまっている。おなつと忠三郎はどうなったのか、吉太郎がどうなったかはわからなかったが、公開当時には、吉太郎が熊の胃の薬を売って歩く、おなつと忠三郎は別れたように描かれている。見ているヴァージョンが違うんだろうか?

やっぱり、中村鴈治郎の演技が素晴らしい。これは市川雷蔵が番頭役で出ているが主演は中村鴈治郎である。
勝新太郎も初々しくていい。市之助の役がなんとも最初から似合っている。香川京子は確かに美しい。

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