タイヨウのうた 2006

  • 投稿日:
  • 更新日:
  • by
  • カテゴリ:

taiyounouta2006.jpgタイヨウのうた 2006

監督: 小泉徳宏
原作・脚本: 坂東賢治
出演: YUI, 塚本高史, 麻木久仁子, 岸谷五朗, 通山愛里

この映画は2度見ているような気がする。ただ、あまり覚えていない。見終わって、どうして記憶がないのか考えてみたが、やっぱりそうなんだ。感動的であるような、そうでないような。なんだか直に伝わってこない。

この原作は、太陽にあたれない歌が好きな女の子、太陽の下で眩しく生きている男に恋をした。これがテーマであるが、XP(色素性乾皮症)を詳しく調べずに描いたストーリーだろう。色素性乾皮症があんなに早く死ぬんだろうか?とういか神経症状が進行してもすぐには死なないことが多いんだが。ただ、時には、なんらかの出来事が重なって薫みたいに突然死ぬこともあるだろうが。

最後の雨音薫の歌がラジオから聞こえてくるのは感動的でもあるが、どうして薫があっけなく死んでしまのだろうか。実際は神経症状が進んでもすぐには死なないことが多いと思うんだが。神経症状が進んでからの闘病生活の方がもっと辛いはずであるが。そこが抜けている。
それだけでなく、確かに薫の父の思入れはわかるんだが、全体的な周囲との関係やそして孝治とのやりとりの描き方が上っ面だけで、深さがないというかリアリティがないと感じてしまう。当然高校生の娘を夜に病気だからといって一人、ほっておく親はいないし。ましてや余命いくばくもない病気を抱えている娘をほっておくことはない。孝治も、出会って間もない女の子が重病であると聞いてすぐに、CDを作るためのお金を稼ぐためのバイトをするだろうか。
綺麗ごとのイベントは描かれているのだが、そこに至る周囲の心情の変化、決意が描かれていない。

原作では薫が自分がXPであることを恋人の孝治に打ち明けることが物語のキーポイントになっていたらしい。そこをしっかりとこの映画でも持ってきたほうが良かったかも。自分の好きな彼氏に、自分の運命を語るほど辛いものがないのに。そこがあればもっと感動的だった気がするんだが。ただ踏切での会話だけでも十分感動的といえば感動的だが。


YUIの歌、Good-bye days はいいし彼女の歌う表情もいい。ただ高音を出す時に苦しそうに歌うのはどうかな、さらりと歌ったほうが印象がいいけど。

My Rating(評価): 13/20
アクセス数:8