人狼ゲーム プリズン・ブレイク 2016

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jinroprisonbreak.jpg人狼ゲーム プリズン・ブレイク 2016

監督: 綾部真弥
出演: 小島梨里杏, 渡辺佑太朗, 清水尚弥, 岡本夏美, 花影香音

今回のゲームの設定は、

総人数12人

人狼 3人
預言者 1人
霊媒師 1人
狂人 1人
用心棒 1人
共有者 2人
村人 3人

人狼は3人いて、最初の投票後に、夜に出歩けるので3人とも誰が人狼かわかる。これは投票の時に非常に有利である。

共有者が二人設定されているのは、村人の中に村人と分かり合える人間がいないと人狼側が投票の時に非常に有利になってしまうからだろう。

死んでもどの役割なのか明かされない。これを知ることができるのは霊媒師のみ。
だから村人はかなり不利である。

この映画の最初の展開

人狼側が、最初にこのゲームをよく知っている櫻井真帆を殺すのは、当然である。
人狼の阿久津悠生が預言者となることによって、最初の投票で死なない保険をかけるためには必要である。しかしすぐに本物の預言者からは、人狼の可能性が高いとバレてしまう。確かに嘘の預言者は人狼の可能性が高いが、村人が用心棒に守ってもらうために嘘をつくこともあるかも。ただ、用心棒が必ずしも預言者を守るとは限らないから、人狼の可能性が高く、村人の投票を誘導する力を持つことができる。

主人公乾朱莉は狂人である。狂人は非常に弱い存在である。
最後に村人して生き残って、人狼側勝つと助かる。
すなわち、まず特殊な能力はない。人狼側としてはどうでも良い存在。あまり戦力にならない。投票の時に人狼側の見方をしてくれればいい。そして村人側で弱い立場なのに、最後は村人が勝ってしまうと生き残れない。つまり村人の裏切り者である。

彼女は首の輪を、監視の目を逃れて外すことが出来る。
彼女はもう一人味方が欲しかった。信頼できる仲間である。彼女を守ってくれる存在があり、それが相馬であることをうすうす感じていた。人狼から狙われた時に開かなかったのは、相馬が用心棒で彼女を守ってくれたからである。

しかし相馬が用心棒である確信が得られない。彼が人狼である可能性もある。
そこで、最後に賭けに出たのである。

ただ、首輪を切ることができるなら、そこでみんなの正体がなんなのか明かすこともできたのに。やっぱりそれはお互いが牽制しあっているのできなかっただろうし、乾は自分が狂人なので人に明かすことができなかった。


途中の投票パターンは、
共有者の丸山岳男を頭が悪そうで、兄が預言者と言っているのに、預言者と名乗った阿久津を確信を持って人狼と思っていない。

ただ投票のパターンを見ると、乾は人狼らしきものに投票しているので、村人らしい動きをしている。これでは自分が助かろうとあまり思っていないように見えてしまう。これは矛盾。

人狼だった、金城渚と及川菜々実は人狼らしく村人を指名していた。もう一人の人狼の預言者と名乗った阿久津悠生は、本物の預言者の丸山正敏を指差している。

最後の投票について
題名通りプリゾン・ブレイクが今回の展開である。

最後の投票で残っていたのは、
人狼の阿久津悠生、共有者の丸山岳男、用心棒の相馬葵と狂人の乾朱莉である。

明らかになっているのは、共有者の丸山岳男である。その前の晩に殺されたのが、霊媒師の土屋みづき、投票で負けたのが人狼の金城渚である。4人残った時点で人狼側が勝っていないので、人狼は一人である。これは阿久津以外の3人もわかることである。

人狼が勝つためには、投票で村人が指名されれば、その夜に村人を殺せるので、人狼が勝てる。用心棒が誰かを守っても、この映画のストーリーでは別の人を殺せる設定になっている。


用心棒が生き残っているかどうかが不明。用心棒が効果があったのは、乾の時だけ。その後はわからない。
このストーリーでは用心棒は毎晩同じ人を守っていても問題なし。
人狼は殺すなら、用心棒と考えているので、やっぱり相馬だろう。乾は用心棒でない。でもこのストーリーでは他の人が殺されている。


村人を確実に殺すためには、人狼は、他の村人を人狼と思わせる必要がある。人狼の阿久津は、乾を村人、丸山は最初から共有者と言っているので村人で殺せるのは相馬だけである。
丸山は混乱している。実際は兄が預言者だから、阿久津が人狼に決まっいるのに、そこが見破れていない。彼の行動パターンとしては、誰を指すかわからない。

相馬は、乾を守っていて、村人と信じている。だから阿久津しか指せない。

乾は、人狼とともに村人を指名しないと助からない。しかし乾としては切り札は、首の輪を外していること。だから乾が相馬と助かるためには、相馬が、用心棒か人狼の二つのパターンを考えることなのだが。

自分が正体を明かさなければ、自分が丸山と阿久津から指名を受ける可能性があるが、阿久津は乾を村人と予言したので、指名することはない。阿久津が指名できるのは、預言者であると偽って人狼と言えるのは相馬だけである。


最後の映画のストーリーとしては、
乾は自分が狂人であると明かして、人狼に最後に勝つパターンとして、村人を殺せば助かるのだから確実な村人の共有者の丸山岳男を指名するように促す。
その心理戦に動揺した人狼の阿久津は、正直のも丸山を指名してしまう。
これで明らかになった人狼を指名して殺したことになったのだが。

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My Rating(評価): 14/20
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もうすこしこの最後の展開をかんがてみよう。

乾の考えとしては、まず相馬を救うこと。そして自分は首輪が取れているので助かると考えた。
相馬が狂人でなければ、映画通の展開でいいのだが。
相馬が人狼であれば丸山を指すわけだから、その時に自分が丸山を指名すれば、かなりの確率で人狼側が勝てるので、乾と相馬が助かるのだが、もしその時に丸山と阿久津が相馬を指していたら、どうなっていたのだろうか。2対2である。
投票が同数で指名が割れた場合は、最後の場面から考えて投票の仕直しである。
再度使命やり直しがきくのなら、その時は、乾は自分のカードを見せたルール違反で死んでいる。(死んだふりをする)次の指名のときは3人になって相馬は人狼とわかって二人から指名されてしまうのだが。これでは、ストーリーが成り立たないし、なぜ乾が自分で狂人と明かしたか全く不明。


では、乾が狂人と明かさない場合は、
阿久津を人狼と指名していれば、かなりの確率で阿久津が指名されて死ぬはずなのだが。相馬は阿久津を指名するだろうし。そうでない場合はやっぱり同数である。
乾と相馬が阿久津を指名する、阿久津と丸山が相馬を指名する。この時に次の手(ここで狂人と明かす)を考えれば良かったと思うんだが。丸山と阿久津の心を揺さぶってここで自分の正体を明かした方がいいのでは、

どう考えても乾が冷静に考え抜いて行った行動ではない。乾の票がどうしても重要なんだが。

これでは、ゲームとしては成り立たない。そこで乾が先に死んだと見せかけて、勝負を決めるパターンはどれか。2対2に投票が割れるのが問題なので、先に抜けて、


だから、乾もそれほど頭が良くないのだろうが、乾のブラフが効いて運だのみの展開だったのだろう。

それにしても最後の乾と相馬の関係は、相馬はいつも乾を信じていたが、小学校3年生の時に乾に水をかけられたことを知っているが、乾が気にして相馬の後を追ってきたことを知っている。乾はそれを気に病んで、相馬に謝るのだが。

最後のエンドロールでそれぞれの役割が人狼が明かされるのがいい。
それにしても、今までの映画にしても最後のトリックは十分に考えられた展開でないのが多いのだが。それでも今回のは劇場性はあって、最初見た時はおっと思えるのでいいか。
しかしその後の展開はつまらない。
僕なら、この映画のエンディングにもう一度トラップを仕掛けるのだが。
逃げる二人に再度危機が訪れて、相馬が捕まり殺されかける。乾がそこで逃げるか相馬を助けるか。これが最後の仕掛けにいいのだが。エンディングはやや単純すぎる。そこで乾が助けて二人で逃げるのがハッピーエンディング、二人で死んでしまうのもあり、乾が相馬を見殺しにして乾だけが逃げるのは、ダークな展開。どれも面白いのに。