殺陣師段平 1962

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tateshidanpei.jpg殺陣師段平 1962

監督: 瑞穂春海
脚本:黒澤明
原作:長谷川幸延

出演: 市川雷蔵, 中村鴈治郎, 高田美和, 田中絹代, 山茶花究

殺陣師段平 のリメイクである。黒澤明が脚本を書いたのは、1950年のマキノ雅弘監督で作られている。実際は、初期の新国劇の頭取であり殺陣師であった実在の人物、市川段平の人生をモチーフに長谷川幸延が戯曲を書き下ろし、1949年(昭和24年)3月に新国劇自身が初演を行った。

この映画は、大映が制作、段平に中村鴈治郎、、澤田正二郎に市川雷蔵を当てて作ったものである。
中村鴈治郎の段平は、まさに当を得た配役で面白みがあり、悲しげで、ペーソスに溢れた演技である。市川雷蔵は、澤田正二郎をスマートで冷静な男として演じてる。
この話の最後は、段平が脳卒中で倒れても、殺陣を忘れず澤田に国定忠治が卒中で倒れた後にお上に捕まる場面を自分が病気をしたまま殺陣を伝えるところであり、おきくが本当は自分の子であることは、段平も知っていたが、おきくも二人とも父、娘とは名乗れず死んでいくところであろう。

いい映画である。今回は中村鴈治郎の演技に見入ってしまう。そしていい話である。

新国劇が行った演目は月形半平太、国定忠治、大菩薩峠など、なるほど時代劇の有名な題名である。これを段平が、澤田の意向に従って歌舞伎のような演技ではなくリアルな剣戟ものに変えたのである。
段平は、月形龍之介、森繁久彌、藤岡琢也が演じている。
ちなみに、あしたのジョーの丹下段平は、この段平にイメージからとったと思える。

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