アイアムアヒーロー考察 最終巻まで

  • 投稿日:
  • 更新日:
  • by
  • カテゴリ:

アイアムアヒーロー22アイアムアヒーロー考察 最終巻まで

ビッグコミックスピリッツに2009年4月から連載れている花沢健吾の漫画。

22巻を見終わって、非常に肩透かしを食らってしまった。
なぜ鈴木英雄がZQNに襲われず、逆に一部のZQNから助けられるのか。その理由が全く明らかになっていない。どうして生きのびれたのかがわからない。
早狩比呂美やクルスたちの存在がなんの意味があったのが全くわからないままになってしまった。ZQNは集合体になった後、どうなるのか全くわからない。
結果的に一人で生きて行く道を選んでいて、早狩比呂美や小田つぐみの存在がなんであったのか全くわからない。

結局、鈴木英雄はみんなとは生きることができなく、狩人のような生活が好きなだけの人間だったのか。

22巻まで読んできてSFパニック的な最後の結末もなく、人生や恋の哲学も中途半端に終わってしまっていてなんだかさっぱりわからん。

本当に肩透かしである。この続きをしっかり描いて欲しいと思う。


鈴木英雄は、さえない35歳の漫画家。
アシスタントをしながら再デビューを目指しネームを描いては持ち込む日々が3年を経たが、依然として出版社には相手にされない。夜になれば何者かが忍び寄る妄想に囚われ、朝方まで眠れぬ生活が続いていた。彼女は、元彼の売れっ子の漫画家と浮気をしていて、酔うと暴力を振るう。
ところが、日常生活が突然変わる。全世界がパンデミック的にゾンビ化してしまう。そこでサバイバルしていく。

この漫画の良いところは、んーーこれはかなりオタク的な発想の漫画なのところである。本を読んでいる多くが、弱い人間でオタクなのかもしれない。すると鈴木英雄は、本当にリアルな読者がなりたいヒーローなのかもしれない。
アクションは非常にリアルなところもあり、これがたまらないという読者も多いだろう。ゾンビを殺すところのリアルさはなかなかなものである。ただ、主人公に対するゾンビの攻撃はやや出来過ぎで、うまく間一髪で逃れてしまうところが、想定路線的で面白くないところもある。

最初は鈴木英雄の人物設定が長々続くので、ゾンビがいつ出てくるのがじれったいところがある。そう意味では、この漫画は、まず主人公をすごく細かく設定している。そして読者に、同じ目線で見せようと最初に工夫している。

突然ゾンビの世界がやってくる。いままで周りにいた自分をいじめていた人間は全てゾンビになり、自分だけが助かる。
高校生に出会い、そしてヒーローのように活躍して好かれる。高校生は、嫉妬をして自分の親しい女を殺してしまう。高校生と二人になり、彼女にして処女を奪う。かなり妄想的な設定である。しかしこれが多くの読者が望んでいる世界なんだろう。今に見ていろ、世界が変わったら俺は生き延びて、もっと持ててやる。高校生を彼女にもって...なんてね。ここがこの作品に読者が引き込まれるところだろう。

が他の設定も面白い。そのゾンビとの戦い、サバイバル、世紀末的な設定がまたうけるし、緻密で予想負不可能な展開がまた面白い。
この鈴木英雄がどんどん変化して、また臆病だからこそ運良く助かる的なシチュエーションを作り出して読者を惹きつけている。またオタクらしく銃の免許を持っていて、銃でゾンビを殺すところもややシューティングゲームが好きな読者にも受けるのである。
21巻ではオタク的な妄想はかなり満たされてしまった感があり、今度は、ゾンビたちの秘密、そしてそれと戦うストーリー展開になっている。

早狩比呂美やクルスはこうしたゾンビの中でどんな存在なのか?これからゾンビの謎が解き明かされ、感染してもゾンビにならない人間の秘密もわかるだろう。早狩比呂美は、確かに女王蜂的な存在なのだが。ただクルスのような人間のままでZQNたちを操り、交信できる存在はなんだろうか?それに主人公の鈴木英雄もZQNと交信できそうだし、感染している可能性もあるし。まだここは謎のままだ。

他の多くのゾンビが吸収された巨大なモンスターは一体どうなるのか、そしてどんな目的があるのかまだまだ謎が多い。
ただ、Gunzのような異星人の侵略的な展開があって、どこか似ていると思ってしまうところもある、
ヴァーチャル的に、2チャンネル的に繋がっている演出も面白いんだが、すこし無理があるけど。心を閉じている人は感染しにくいというところと精神がつながる集合体の存在も何か理由があるのかもしれない。

ZQN ゾキュンとよむようだ。

鈴木英雄が、人を愛せない、閉じこもっているから感染しにくいのだろうか?
確かに人と共有する心がないとミツバチのような一体した動きは取れないのだが。

これは、今の世の中の一体型の画一的な人間を批判しているのだろうか

彼の妄想の姿も次第に煙のようになってきているのは、次第に妄想を見ることがなくなって、現実の世界で生きるようになったからだろうか。

小田つぐみのイメージが鈴木英雄に浮かんだから、目を撃ったのだろうか??この行動もはっきりわからず。

鈴木英雄と二人のやりとりはかなりリアリティがあっていい。リアルなおじさんと高校生のやりとりという感じが出ている。

アクセス数:335