新吾十番勝負 第一部・第二部 総集版 1959
監督: 松田定次, 小沢茂弘
原作: 川口松太郎
出演: 大川橋蔵, 大友柳太朗, 月形龍之介, 大河内傳次郎, 佐久間良子
これが子供の頃に見た、チャンバラ映画の典型なのだろう。ほとんどストーリーも出演者も覚えていなかったが、チャンバラ劇の爽快感をこの映画から感じたんだろうと思う。
第一部と第二部 の総集版になっていて、ところどころ話は飛ぶんだがそれほど込み入ったストーリー展開でないので、戸惑いなく見れる。展開も早く昔の時代劇、活動劇的で面白い。
八代将軍徳川吉宗の長男であるが、幼い頃に触られて自源流道場で育てられた。梅井多門と自分をさらった真崎庄三郎に剣を教えられる。幼少の名は美女丸、のちに葵新吾となる。葵新吾は、無類の正義感と剣と腕のため、そして世嗣ぎ争いのため、将軍、吉宗とはなかなか親子の対面ができない。
そして、将軍家の息子と言うことで、権力を持った悪者でさえばったばったと斬っていく。ここが気持ちがいいのである。
第二部の最後では、剣の師、梅井多門が武田一真に破れる、多門の仇として武田一真を倒す誓いを立てる。
将軍徳川吉宗からもらった葵新吾の名前と書類"この者諸国通行勝手たるべし、吉宗花押"というのは、水戸黄門的でこの時代はこれが受けたんだろう。そしてどこに行っても身分を明かすと、ははーと言われる。ところが、家老や次の将軍家茂の側近から狙われるのでそれだけでは上手くいかない。そして師の仇の武田一真があり話は複雑になっている。それにしてもこれほどいい男であるあるが、剣の道に生きるということで、姫君たちや、美女たちの求愛を全て拒んでいく。
大川橋蔵は、本当に美男子である。佐久間良子の若い頃の映画はこれが初めてかもしれない。年を取っても変わらない人だ。
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