安珍と清姫 1960

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安珍と清姫 1960

監督: 島耕二
出演: 市川雷蔵, 若尾文子, 浦路洋子, 毛利郁子

熊野に参詣にきた美形の僧と真砂の庄司清次の娘、清姫との悲恋の話である。
昔に見た映画であるが、最後はもっと怖いものだと思っていたが、今見たらあまり大したことがない。それに、安珍は死んでしまうと思いこんでいたが、そうではない結末だった。

この話は、説話として古く平安時代の大日本国法華験記に抱えているが、本当は、恋情に狂った若い女性と、新人深い美形の僧の話であり、川に飛び込んで大蛇になった清姫が安珍を追い同情時にやってくる。安珍は、梵鐘の中に逃げるが、大蛇はその鐘に巻きつき安珍は焼き殺されてしまう。という話である。

市川雷蔵は、最初はバッサリと髪の毛を切ってどこかのおじさんみたいだが、やっぱり美男子で、美形の僧にぴったりである。若尾文子の艶っぽい美しさがよく出ている。

映画の内容は、勝気な女性が、自分に目もくれない坊主の安珍に迫る。そして安珍を虜にしてしまうんだが、実は自分も安珍を忘れられなくなっていた。そして日高川に飛び込み大蛇に返信する。大蛇は梵鐘に巻きつくのだが、いつしか消えてしまい、安珍は助かる。安珍は、仏教の教えに背き清姫を探し、川岸で息絶えている清姫を見つける。そして一生清姫の亡骸をともらうことを決心する。

展開はやや最初ゆっくりで飽きてしまうところもあるが、若尾文子の美しさが光っているシーンがあるので、興味が繋がっていく。特に安珍との入浴シーンや、安珍に抱かれるシーンはいいね。

伝説の内容からすれば、本当に女性は怖いと思った話の一つだが。本当ならもっと、恋に狂った女性がどんどんと迫り、安珍が誘惑に負けて後悔し、仏門に帰依しようとするのだが、最後に清姫と安珍が一緒に死んでいく話の方が僕としてはすっきりしたかも。

道成寺は、和歌山県日高郡日高川町にある天台宗の寺院。日高川がその地名からもお寺の近くを流れている。

能の道成寺や歌舞伎の娘道成寺は、安珍・清姫伝説の後日譚である。白拍子が紀州道成寺の鐘供養の場に訪れる。舞を舞うのだが、実は清姫の化身であり鐘の中から大蛇の姿になって現れる展開である。

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