12モンキーズ Twelve Monkeys 1995

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12モンキーズ Twelve Monkeys 1995

監督: テリー・ギリアム
出演: ブルース・ウィリス, マデリーン・ストウ, ブラッド・ピット, クリストファー・プラマー

この映画は随分むかしにみたのだが、アメリカのテレビドラマシリーズが新しく作られたので、オリジナルの映画はどうだったか確かめたくて見た。というのもオリジナルの映画の記憶があまりないからである。どうしてだろう。やっぱり見てみると、すこしストーリーが観客を混乱させる作り方のなので最後の展開の印象が少なかったのだろう。テレビドラマシリーズとでは、ウイルスによって世界中の人が死に、過去に飛んで未来を変える試みなのだが、やっぱり展開、設定が異なっている。

1996年に50億人の人間が死ぬ殺人ウイルスが撒かれる。これを調査するために地下で囚人となっていたジェームスが過去に送られる。

1990年に統合失調症の人からのインタビューの抜粋が最初に映画にでるのだが、
それが誰なのかわかる。1990年に戻る囚人のジェームス・コールと精神科医のキャサリン・ライリーが出会う。それにしても閉塞感が強い映画である。どこまでいってもうまくいかない。これがタイムマシーン関連の映画の典型的なストーリー展開でもある。

この映画のテーマは、最終的にはタイムマシーンは過去を変えれるか?
12モンキーズの正体は、何なのか?そして現実に起きたことなのか。
タイムマシーンを扱う物語ではもう一つあるのは、必ず運命的な出来事が必ず起きるということである。それは、ジェームスが子供時に目撃した、空港での銃撃戦と、その時の美しい金髪女性はだれだったのかがわかる。
つまり、自分の運命を見たのであり、そして金髪女性に恋をしたのだが、それは未来の運命だったのだ。

徐々に妄想の世界に入っていく、そして現実感がなくなっていく。繰り返し過去に戻り、次第に心が病んでいくジェームス。これがどんどんひどくなっていくのも、監督の意図だ。彼が閉じ込められていた地下は、フィラレルフィアだった。しかし彼が見た熊やライオンは本当に現実だったのかわからなくする。未来の世界もやや妄想の類だったように思わせる。これは監督が、観客にもジェームスが経験しているのはただの幻想だったのかと錯乱させるためにである。しかし、最後にジェームスに起きる大きな現実、運命が最後に待っている。そして観客も気づくのである。

映画館に行って二人が見た映画は、ヒッチコックのめまいである。1996年当時にはとうにクラッシック映画であるがどうして劇場でやっているんだろうと思ったが、
次のシーンはヒッチコックの鳥である。種明かしは映画館を出た後にあった。
ヒッチコック特集のナイトショーだった。他にもヒッチコックの作品が看板にあった。

最初の頃にライリーがジェームスとどこかで会ったことがあるというのは、第一次世界大戦の写真のことだったのか?ジェームスのことをボブと呼ぶのは人間は本当は未来から来たのだろうか?

最後にジェームスとの会話からライリーには、自分が愛するジェームスが死んでいくの抱きながらその前に立っている子供がジェームスであるとわかり、彼女は泣きながら微笑むのである。それが運命である。

最後の保険業者と名乗った、ジェームスを過去に送ったジョーンズの仕事はうまくいったんだろうか?そしてライリーは助かったのだろうか?
まてまて、ジョーンズが最後にウイルスの拡散を止めていたら?ジェームス・コールとキャサリン・ライリーの二人は出会い話にことになる。出来事は全くなくなるのだろうか。
いや、その前にアホな税関の職員がウイルスの入った試験管を開けている。馬鹿な話だ。その時に職員に感染した可能背がある。だからジョーンズが飛行機の中で犯人を阻止しても、ウイルスの拡散は止められないだろう。
ジョーンズが失敗していても、ライリーは本当の犯人を知っていたに、どうしてそれを未来に伝えることをしなかったのだ?子供のジェームスが生き残っていたなら、ライリーも生き残っていたはずなのに。
結論、タイムマシーンを描くストーリーにはどこかに矛盾点がある。それを考えても堂々巡り。深く考えないで楽しんだ方がよさそうだ。

映画では明らかになっていないが、未来の年代は、2035年である。
ジェフリー役のブラッド・ピットの演技は素晴らしい。これに観客が本当に騙された。
12モンキーズは、オズの魔法使いの話にから取られている。

テリー・ギリアム監督と一緒に働きたいために、ブルース・ウィリスは最初報酬がなかった。映画封切り後に報酬をもらった。ブラッド・ピットも安い給料だった。この後に、インタヴューウイズ・ヴァンパイアや、セブンなどがでて押しも押されぬトップスターになった。

最後に流れるのは、ルイ・アームストロングのこの素晴らしき世界である。
監督のテリー・ギリアムは、イギリスのコメディグループ「モンティ・パイソン」のメンバーの一人だった。バンデットQ 、未来世紀ブラジルの監督である。

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