dreaming on clouds

新源氏物語 1961

監督: 森一生
原作: 川口松太郎
出演: 市川雷蔵, 寿美花代, 中村玉緒, 若尾文子

この映画は素直に市川雷蔵の光源氏もの。桐壺が源氏を生み須摩に発つまでを描いている。
現代風にアレンジした朧月夜や末摘花のストーリーはちょっと笑える。なるほど六条の御息所の呪いは、ネガの映像を生かしたなかなか面白い描き方である。
しかし光源氏の感じ方や行動が現代風になっていないので、すこし淡白すぎて面白さが中途半端である。ずっと藤壷を思っている感じもいいが、それでもいろんな女の人のところに行くんだからもっと現代風な色男の感じをもたせてもよかった。山口松太郎が訳した源氏物語なんだが、どうせ脚色するならもっと脚色しに工夫をもたせたほうがよかったと思ってしまう。
雷蔵はこの年30歳だが、なんだか初々しさがない。20代前半でこの役をやっていたらもっと華があっただろうと思ってしまう。

藤壷・桐壷 寿美花代
葵の上 若尾文子
朧月夜 中村玉緒
末摘花 水谷良重
六条の御息所 田中康子
紫の上 高野通子
父帝 市川寿海

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