かげろう絵図 1959

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かげろう絵図 1959

監督: 衣笠貞之助
原作: 松本清張
出演: 市川雷蔵, 山本富士子, 滝沢 修, 志村 喬

大映映画には珍しく、松本清張が原作である。そして映画の尺も長くて2時間近い。そして主演と言われている市川雷蔵が出てくるのは30分以上経ってから。この映画の本当の主演は当然、山本富士子だ。彼女が一人二役をやっているのだが、登美、豊春をうまく演じ分けている。これほど演技がうまかったかと思うくらいである。

この映画は、原作の完結前に公開された映画である。ストーリーは原作と比べて簡略化され、結末も変えているのだが、なぜか最後に続くとなる。ええ!これは前後編あるんだっけと思ったが、この映画かぎりである。ちょっとビックリ。

市川雷蔵の若侍ぶりは、本当にいい。美男子だし粋である。殺陣はそれほど凝っていないので迫力はない。島田新之助は、小説では知力もすごく、剣だけでなく知略を使い中野石翁と戦う設定になっている。
この映画は延命院事件を元に描かかれているんだろう。脇坂淡路守が寺社奉行として大奥のスキャンダルを摘発した。そう言えば、大奥で坊主と関係を持つストーリーはよくあった。この事件を元にしているんだ。
延命院事件は、徳川家斉の時代に延命院の元歌舞伎役者の僧侶日潤は、大奥の奥女中と密接な関係を作る。そしてこの寺の日道は美貌の持ち主で、幕府の奥女中らと関係を持ち、寺社奉行脇坂安董に摘発された。

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