Iron House アイアン・ハウス John Hart ジョン・ハート 2011

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Iron House  John HartIron House アイアン・ハウス John Hart ジョン・ハート 2011

あまりに暗いストーリーで読むのが辛かった。文体も凝っていて読み進めるのも辛かった。ストーリーやっぱりジョン・ハートらしいハードボイルドなタッチ、主人公の生まれ育った背景に重要なポイントを置きながら描かれている。

題名のアイアンハウスは、マイケルとジュリアンが過ごした孤児院である。
どうしてマイケルが雪の中を一人で走らなければならなかったのか。アビゲイルがどうしてそこまで、ジュリアンとマイケルを守らなければいけなかったのか。ジョサップがアビゲイルを愛していながら、アビゲイルの誘いに乗らなかったか。

読んでいくうちに疑問が解けていく。
マイケルの義理の兄のステヴァンが企んでいたことはもっと早く明らかになると思っていたのに、最後の最後に明らかになる。

マイケル、ジュリアン、アビゲイルこの三人が中心に描かれているが、ジュリアンはあまり出てこない。どちらかといえば、エレーナ、ジョサップ、ジミーが話の展開に重要な役割がある。最後は、サリーナ・ソローターとアラベラ・ジャックスが重要なキィーパーソンになる。
アビゲイルとカラヴェル・ゴートローとヴィクトリン・ゴートローの親子の関係性は最後になってよく理解できるようになる。

最後の展開はそれなりに面白いのだが。彼の他の作品に比べればストーリーが突拍子もなく、最後の一石二鳥以上の展開は、やや荒唐無稽だと感じてしまう。今回はハードボイルドのリアリズムの中にアビゲイルの二重人格と最後の事件の解決方法の非現実性が入って、ドラマティックではあるが何故か最後の余韻が少なすぎる。たとえ、マイケルが最後にアラベラ・ジャックスと対峙するところがあっても。

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ジョン・ハートの公式ホームページ ;http://www.johnhartfiction.com/

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