Predestination プリデスティネーション 2014

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Predestination プリデスティネーション 2014

監督: マイケル&ピーター・スピエリッグ
原作: ロバート・アンスン・ハインライン
出演: イーサン・ホーク, サラ・スヌーク, ノア・テイラー


題名のプリデスティネーションpredestination の意味は運命、宿命である。
そしてこれは、運命の矛盾 predestination paradoxを描いている。

この映画は本当に久しぶりにいいSF映画に出会ったと思わせる映画である。すごく脳回路を強く刺激する。最終的には両性具有(hermaphrodite)を持つ人間とタイムマシンによって引き起こされた運命の輪である。

原作は、ハインラインのAll You Zombiesである。ロバート・アンスン・ハインラインは、アイザック・アシモフやアーサー・C・クラークと並ぶ有名なSF作家である。

バーテンダーになっていた主人公が、男になったジョンに尋ねる。
どっちが先?鶏か卵か?これがこの映画の永遠のテーマと言っていいんだろう。そして最期の結末もである。自分自身を自分で産んで、そして自分で殺す。
彼の上司だったロバートソンは全てを理解していたのだろう。お前は、ただのエージェントではない。運命の矛盾を凌駕した世界に対して生まれ持った才能がある。お前だけが、唯一、歴史、祖先から自由な存在なのだ。

最後にどうして彼が爆弾魔になった理由がわからなかったのだが、よく考えてみると少し理解でき始めた。自分が自分を産んで、最後に未来の自分を殺す。この皮肉な人生の中で、彼が狂っていくのがわかる。そして爆弾魔になるんだろうが、これも彼の偏執的運命性(結局は自分が事件を起こしそれを自分が解決する)というな考え方に陥った結果であるかもしれない

この映画の原作は、ハインラインのAll You Zombiesである。
映画の最後のセリフもまた意味深であり題名の由来でもある。蛇は自分の尻尾を食べる。永遠に。自分がどこから生まれたのか知っている。全てのお前たちゾンビはどこからやってきたんだ?

尾を飲み込む蛇の図柄をウロボロスという。古代ギリシア語でドラコーンまたはウロボロスと言う。循環性(悪循環・永劫回帰)、永続性(永遠・円運動・死と再生・破壊と創造)、始原性(宇宙の根源)、無限性(不老不死)、完全性(全知全能)など、意味するものは広く、多くの文化・宗教において用いられてきた。
過去を知る男は、過去に戻った時にその出来事に対して抗えない。のが普通なタイムマシンのストーリーの法則であるが、その法則を適応すると過去の自分は未来の自分を殺せるが、未来の自分は、過去の自分を殺せない。

両性具有とは、男女の臓器を両方持っているということである。ギリシア神話では、ヘルマフロディトスがそうである。彼はヘルメスとアフロディテの間に生れ,水浴中にニンフに恋されて彼女と一体化し,男女両性を具備することになったといわれる。
イーサン・ホークは、スピエリッグ兄弟とデイブレイカーでも一緒だった。
サラ・スヌークは、やっぱりジョディ・フォスターを連想させる。

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