柘榴坂の仇討 2014
監督: 若松節郎
原作: 浅田次郎
出演: 中井貴一, 阿部寛, 広末涼子, 中村吉右衛門
井伊直弼の桜田門外の変を扱った話である。それも明治になってからが中心である。かなり珍しい設定の映画と言えるだろう。
結局彦根藩で井伊直弼を護衛していたものは、重傷者以外は全て切腹、処分は家族までに及んでいる。志村金吾のように切腹を許されず、水戸藩士を追えという命令が下されることもない。
桜田門を襲った十八人（十八烈士）の名前は歴史に記録されているが、その中には、佐橋十兵衛の名はない。架空の人物設定である。襲撃者のうち、増子金八と海後磋磯之介は潜伏して明治時代まで生き延びた。当然襲った水戸藩士があの明治維新に、罪悪感を抱くこともないだろう。井伊直弼の墓参りをするなど考えられない。亡くなった同士の冥福を祈っていたのである。
ということで最初から設定が甘く、どうして最終的にこんな感情が生まれるのだろうかと、不可思議な話と思ってしまった。
正直にいって俳優陣の年齢が気になった。桜田門外の変の１３年後であるが、それにしてもみんな老けすぎである。
何と言っても広末涼子の演技がいい。彼女の目線や表情は名女優になった感慨を持たせるくらいだ。
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