Dracula ドラキュラ 1992

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Dracula ドラキュラ 1992

監督: フランシス・フォード・コッポラ
出演: ゲイリー・オールドマン, ウィノナ・ライダー, アンソニー・ホプキンス, キアヌ・リーヴス, サディ・フロスト

映画の題名にはブラム・ストーカーのドラキュラとなっているが、実際には原作を忠実に映画化したものではない。

もっとスタイリッシュな映画かと思っていたが、エクソシスト的な要素もあってびっくりした。ドラキュラはかなり悪魔に近い存在で描かれている。全体的にはやや暗いイメージで、期待した美しいカットが少ない。
最後の結末に持ってくるには、エロティックな要素と悪魔的な要素が強すぎる。そしてなんだが、出来事がバラバラに起こっていて、最後の結末の流れに持っていく説明が少なすぎる。

ドラキュラの影が独立して動くのだが、怖そうに作ってあるのだがそれが逆にチャチに見えてしまう。わざとらしくて芸術性にかける演出である。
現実の物理的な法則に従わないように作られた、ネズミが壁にそって逆さまに走ったり、水のしずくが下から上に落ちたりする演出も面白いのだがもっと美しく仕上げて欲しかった。
ドラキュラが大きなコウモリのモンスターになったり、大きな狼になったりするのはやや映画の趣向が違うんじゃないかと思ってしまった。
やっぱりゲイリー・オールドマンのドラキュラが僕にはあまりイメージできないからか、やっぱりクリストファー・リーのイメージが強すぎるのかもしれない。

ジョナサン・ハーカーのドラキュラ城での不思議な体験と脱出劇もなんだか不思議だ。彼が主人公にもならないところが中途半端でもある。

ジョナサンの前任者のレンフィールドの存在は不思議ではなるが、ストーリーの展開の要素に何にも関与していない。

確かにコッポラがルーカスの助言を聞いて最後の結末を変更する。そしてミナがドラキュラの首を切って地獄から解放することだが。これならラブストーリーである。
しかしこの結末まで至るドラキュラの愛を貫くミナの気持ちの過程がはっきり見えてこないのだ。これはドラキュラの魔力でなくて、ミナの前世がドラキュラの妻エリザベータだったことからだが。どうしてもドラキュラの悪魔的な魔力が前面に出てしまって、愛情劇になっていない。途中から結末を変えたから、なにかチグハグになっている。最後の展開はこれはこれでいいんだが。

ヴァン・ヘルシングがアンソニー・ホプキンスが演じているのがいいんだが、なにかもう少し個性的な強さが欲しかった。
ウィノナ・ライダーもドラキュラの花嫁という感じがあまりしない。残念だった。

ドラキュラと言われた所以。しかしブラム・ストーカーのドラキュラにはドラキュラが、ヴラド3世とは記述されていないのだが。
ヴラド3世、ヴラド・ツェペシュ通称ドラキュラ公(Vlad Drăculea)は、15世紀のワラキア公国の君主
ドラクル=竜公は父ヴラド2世。父ヴラド2世は神聖ローマ帝国からドラゴン騎士団の騎士に叙任されたため、ドラクルという添え名はこの竜騎士団の竜(ドラコ)に由来する。ドラキュラとは、竜の息子、つまり小竜公とでもいうような意味である。父親ヴラド2世がドラクル(Dracul=竜公、または悪魔公)と呼ばれたことに由来する。

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