The Five Robert McCammon ザ・ファイブ ロバート・マキャモン 2011
これは、スワンソングを読んでロバート・マキャモンが好きになったので、今回はロックバンドが主人公のストーリーなので、ロックが好きな僕には丁度良いと思って読んだ。
題名の由来は、5人で構成されるバンド、ザファイブからである。
読んでみるとストーリの基盤はスワン・ソングとあまり変わらない。スワンソングと同じようにデーモン、悪魔との戦いである。ロバート・マキャモンは、何か悪魔と天使のテーマが好きなんだろうか。
オースティンから演奏旅行にむかう5人とマネージャーのジョージ。
マネージャーのジョージとキーボードプレイヤーのテリーはこの演奏旅行が終わるとバンドをやめると言い出す。残りの4人はショックを受ける。バンドリーダーのノーマッドは、みんなで1曲この演奏旅行が終わるまでに作ろうと提案する。TVのインターヴューにむかう途中にブラックベリーの畑に迷い入り込んだ5人は、井戸のそばに立っている何か不思議な雰囲気をもった藁帽子をかぶっている少女と出会う。ブラックベリーの畑では、カラスが果実を狙っているが、収穫している人たちはカラスを追い払いながら果実をとっている。
イラク戦争の退役軍人で狙撃手だったジェレミーは仕事もうまくいかず自殺を試みる。しかし意識が遠ざかる中でたまたまザ・ファイブの番組を見たジェレミーを彼らに強い敵意を抱く。彼らが歌の中でアメリカ軍がイラクなどで子供を殺していると話していたからである。彼は、ライフルでバンドメンバーを狙撃するために彼らの演奏旅行についていく。
ベースギターのマイクは、ノーマッドの言ったみんなで曲を作ろうというのを聞いて。彼なりに歌詞を考えた。ドラマーのバークにそのことを伝えた後、ドラッグストアでバークの前で狙撃され死亡する。
それにしても長い。それに、ロバート・マッキャモンが使う言葉が難しすぎる。ロックバンドが使うスラングもふんだんにあるし、ロックの詩からとった文も使われている。ストーリーの緊張感がややける、ストーリーの途中にあった話が全て収束していく感じがない。とくにストーンチャーチはなんのためにあったのかわからない。以外と最後も不発である。実際のロックバンドの名前がたくさん出てくる。
ストーンチャーチの話はどこまでのこのストーリーに影響しているのかわからない。これだけ別のストーリーに感じてしまう。
最終的にイラク戦争で子供を殺したことと彼らのバンド活動は結局はほとんど菅家なくなってしまう。どこか話がバラバラなんである。
バークの義父のフロイド・フィスクの遺言にはロバートマキャモンが伝えたいことが書かれてある。これはバークだけでなく。若いミュージシャンに対するメッセージである。この作品のテーマでもある。最後の章とも関連してくる。そしてテリーの憧れのエリック・ジェロシミニもこの作品のテーマの一つを語っている。
最後にジョニ・ミッチェルとグウェン・ステファ二ーが話題に上がるのだが、アリエルのイメージが二人からきているのは読み通したものとして時間できる。
最後の章で、ザファイブの歌が、ミュージシャン志望のジェンが食思不振症から立ちなるきっかけになるのだが。これがこの歌の始まりということなのだろうか。
アリエルとジョンが最後にどうなるかはわからないが、古い世界から変わるための勇気が必要だし、チェンジが必要なのだから、新しいバンドを作っていくんだろう。
最後にThere's no roadmap... but... the roads goes on.
John aka Nomad リーダー、リードヴァーカル、リードギタリスト
いつもF。。などを言い放つ。すぐにキレる性格。チーズなどの乳製品にアレルギーがある。父もロックシンガーだったが、浮気相手の夫に撃たれて死んでいる。シカゴ出身。
Ariel エリエル ヴォーカル、ギターリスト
マサチューセッツ出身。家は裕福だが、家族の仲は冷めている。他のバンドにいた時恋人が交通事故で死んでから、彼を作っていない。ヒッピーのようなファッションをしている。
Berke ドラマー、レズ?、喧嘩ぱやい。
母は、ドラマーと結婚してバークを生んだが、その後離婚して古本屋店主フロイド・フィスクと再婚した。
Terry キーボードプレイヤー ヴィテージキーボード、オルガンが好き。テリーもジョージと同様に、このツアーが終わったらバンドを止めて、中古楽器の修理、販売をする予定。
Mike ベースギター 右腕に白鯨など全身にタツーがある。ミュージック以外に誰からも認められたことがなかった。
George ロードマネージャー バンドのCD、Tシャツなどの販売、今回のツアーを最後にマネージャーを止めて従兄弟と新しい事業をしようとしている。
True Truitt Allen FBIの捜査官。実は海兵隊出身で、ジェレミーに同情して、できたら逮捕して病院にいれて治療したいと思っている。
Jeremy Pett ジェレミー・ペッツ 海兵隊出身、イラク戦争で活躍した狙撃手。たまたま見たテレビで、ザファイブのPVを見る。
アメリカの兵士が子供を殺していると話している彼らに敵意を持ち、彼らを殺すために付けねらうようになる。
Scumbucket マネージャーのジョージが所有する車。後ろにU-Hallトレーラーを牽引している。ボロボロの車でコンサート会場を回るための車で、U-Hallトレーラーにはバンドの機材やTシャツなどが積んである。
Eric Gherosimini 13th Floorの元キーボードプレイヤー。テリーの憧れのレディフランケンシュタインという楽器を持っているが、片田舎に世捨て人のように住んでいる。
Thor Bronson 昔ジョンが世話になったバンドリーダーで、リードヴォーカル
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