Hôtel du Nord 北ホテル 1938

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Hôtel du Nord 北ホテル 1938

監督: マルセル・カルネ
出演: アナベラ, ルイ・ジューヴェ, アルレッティ

フランス映画

この映画のテーマは何だろうか、若いカップルには困難な人生もあるが、未来もある。しかし不自然なカップルは破滅する運命にあり、人生も同じ。どんな運命を選ぶかはその人次第。
ということかな。この映画は昔見た覚えがあり、題名は覚えている。でもストーリーは全く覚えていなかった。どうしてだろう?あまり印象に残らなかったのだろうか。結局はあまりストーリーの流れが理解できず、不可解なままで終わってしまった。昔のフランスのよき時代を印象づける作品であるのは確かだ。

あらすじ

北ホテルは、小さなホテルで貧しい人向けの安宿であるが、長く逗留している者もいる。二人の男女がパリのサン・マルタン運河沿いにある小さなホテルの近くのベンチで語り会う。そして画面はホテルの中に、
ホテルの宴会から始まり、雷が鳴り、先ほどのカップルがホテルに入り部屋を借りる。ルネは孤児で身寄りがなく、働き始めて出会ったピエールと恋に陥るのだが、ピエールが職を失い、世をはかなんで二人で心中を図ろうとする。ルネを拳銃で撃った後、怖じ気づいたピエールはエドモンドに促されてその場を逃げてしまう。ルネは救急車で運ばれ、一命を取り留める。

ホテルを経営している夫婦は非常に親切で孤児を引き取っている。
エドモンドと一緒にいるレイモンドは夜の仕事をしていてエドモンドを食べさせている。エドモンドは働いていない。
他にトラックドライバーは、親友の妻ジレットと不倫関係にある。


ルイ・ジューヴェが演じるエドモンド不思議な男だ。なんだか正体がつかめない。この物語の発端から彼の恣意が働いている。どうして思いとどまっているピエールを部屋から去らせたのか。この時点でもうエドモンドがルネのことが好きだったからなのか?するとルネとすれ違っただけで気になっていたことになる。

エドモンドはどうして危険な北ホテルに戻ってきたのか。ルネに会いたかったと言うよりは、そろそろ逃亡生活に嫌気がさしていたのだろう。男が死にたかったことは分かるんだが、それがどうしてかはあまり分からない。自分を偽りながら隠れている逃亡生活が嫌になったのはわかるが。あの頃の人生観なのだろうか。
最終的に若い二人が人生をやり直すのだが。二人が語り合うのも同じ場所である。そしてパリ祭。若者たちの人生が始まる時にその男の人生は終わったのである。

印象的なのは、運河にかかる橋が船が通るたびに回転することだ。普通は上に開くのが多いのだが。なにかパリの風情があるただ住まいだ。

レイモンド役のアルレッティは、この映画の後に、天井桟敷の人々や外人部隊に出演している。北ホテルの時でさえもう40歳だから、その後もしっかり活躍しているのがすごい。

舞台になった北ホテルはパリ・ノード駅の近くにまだ残っている。

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