Mondovino 2004 モンドヴィーノ

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監督: ジョナサン・ノシター

言わずと知れたワイン作りに関する映画。以前から見ているが、その時はあまり作り手のことは知らなく見てたので再度ワインの勉強の後に見てみた。

テーマはテロワールと、アメリカのグローバリゼーションだろうか。監督のノシターは、やはりテロワールにあふれたワインが好き。いつも単一な味わいで、大衆向けのワインは好きではないのだろう。
これは、ロンドンで有名なワインオークションを管轄するマイケルブロードベンドがインタビューで言っている"大衆に受ける個性のない面白みのないワインよりは、十分なレベルに達していなくても個性的なワインが好きだ"のがこの映画のテーマに近いのだろう。
リブルヌに住んでいる醸造家のミシェル・ロランのワイン作りは、果実味、新樽の味に溢れ、口当たりが滑らかで、熟成しなくても若いうちが飲めるように作る。
これは、アメリカのバルティモアに住んでいるロバート・パーカーの好みである。ロバート・パーカーがそうしたワインに高い点をつけると、ワインは高くなり、またよく売れる。
ミシェル・ロランがひどく悪役に見せているが、その手法として、ミシェル・ロランが常に酸素を入れろ、酸素を入れろというシーンを繰り返している。
逆にロバート・パーカーJrは、思慮深くインタビューでも、できるだけ言葉を選んで辛辣な批判を受けるような言葉は使っていない。これは今までの彼に対する批判から言葉をかなり選んでいるようだ。

他にアメリカのグローバリゼーションに関しては、イタリアのオルネライアなども話題にしている。

テロワールの代表として、ヴォルネイのモンティーユのインタビューをこの映画では出している。モンティーユのワインは、僕も好きで本当に美味しい。ただ親子の軋轢など、ワイン作りの中にもいろいろあることを見せている。ユベール・モンティーユのはげ頭と青い空はなにか楽しいワインの世界を暗示しているのかもしれない。

ワインの勉強をすればするほど今日深いシーンが一杯出てくることに気づくのは本当に面白い。次回はいつ見ようかと考えてしまう。やっぱりワインファンは必見である。この10年後にもう一度同じような映画を作ると新しいワインの流れがわかっていいから、またジョナサン・ノシターには映画を作って欲しい。

またこの映画は、ワインばかりでなくて、犬がいっぱい出てくる。これは、プレゼンテーションでよくやる観客を疲れさせなく常に集中させる為に使う手法である。

主な出演者
エメ・ギベール、ミシェル・ローラン、 ロバート・パーカーJr、アンティノリ、フレスコバルディ マイケル・ブロードベント、ジェームス・サックリング、モンダヴィ一族、ユベール、エチエンヌ、アリックス モンティーユ

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