La Grande Illusion 大いなる幻影 1937

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La Grande Illusion 大いなる幻影 1937

監督: ジャン・ルノワール
出演: ジャン・ギャバン, エリッヒ・フォン・シュトロハイム, ピエール・フレネー,

この映画題名の大いなる幻影は、フランス語のLa Grande Illusionの直訳である。しかしこの題名はやっぱり格好いい。

当時フランスでは第一次世界大戦は、すべての中で最後の戦争と言われていた。これが大いなる幻影であることをこの映画の題は示しているらしい。

ストーリーは、フランス人、ドイツ人などがでてくるが、誰も悪漢ではない。どれも心優しく、お互いに交流を深めるのである。こうした映画は非常にまれであり、これが1937年という第二次世界大戦が幕があけようとする時期に作られたとは思えないほどである。
確かに反戦をテーマにした映画なのだろう、ドイツでも、イタリアでもそして日本でも当時は上映禁止であった。


舞台は第一次世界大戦のフランスとドイツ間の戦争中に、ドイツ軍の捕虜となったフランス人将校の話である。パリの機械工の出のマレシャル中尉(ジャン・ギャバン)と代々貴族軍人の家系のド・ボアルデュー大尉(ピエール・フレネー)が偵察中にドイツ軍の捕虜になり捕虜収容所に収監される。捕虜たちはトンネルに掘って脱走はかる計画を立てていた。

この辺りは、大脱走(1963)と展開が同じじゃないかと思っていてみてた。大脱走はこの映画をまねたんだとも思ってしまった。

家がお金持ちでユダヤ人のローゼンタール中尉は送られてきた缶詰などで捕虜生活を楽しく過ごしていた。慰安演奏会の夜、占領されていたドーモン奪回の報が届き、マレシャル中尉は、感激のあまりラ・マルセイエーズを歌いだす。そして捕虜全員が歌いだす。
ここは、カサブランカ(1942)の一シーンを思い出す。

首謀者の中尉は営倉に入れられる。彼を監視ししていたドイツ軍の老兵が、孤独を紛らわすようにハーモニカを与える。

トンネルが完成する間際に別の収容所へ移送されてしまう。3人のフランス人はドイツ領奥深くの捕虜収容所に送られることになる。そこで、ドイツ貴族の軍人の家系のラウフェンシュタイン大尉(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)に出会う。ラウフェンシュタイン大尉は、ド・ボアルデュー大尉を、お互いに貴族出身の軍人であることから厚遇し、友情を分ち会う。
ド・ボアルデュー大尉はおとりになり、脱走する振りをして二人を逃がす。そしてド・ボアルデュー大尉は、ラウフェンシュタイン大尉に撃たれて死亡する。
脱出に成功した二人は、やはり夫を戦地に送り出した子持ちの人妻エルザ(D・パーロ)に匿われ、無事スイス側へ最後に逃げ延びる。


有名な映画がこの映画の後から作られているが、いろいろな場面が多くの映画に影響を与えているのを実感することができる。
1937年と言う難しい時期によくこの映画ができたと感心してしまう。
そして第二次世界大戦の未来像をこの映画はすっかり浮き彫りにしている。もう貴族軍人が活躍する時代ではなくなったし、ユダヤ人の問題が今後出てくることも暗示していたようにも見えた、

フランスの名優ジャン・ギャバンの代表作でもあるが、ジャン・ギャバンを本当はよく知らない。最近では、ゴルゴダの丘、どん底などを見ているから少し分かるようになったが。

普通階級の出身のマレシャル中尉(ジャン・ギャバン)
代々貴族軍人の家系のド・ボアルデュー大尉(ピエール・フレネー)
家がお金持ちでユダヤ人のローゼンタール中尉(マルセル・ダリオ)
ドイツ貴族の軍人の家系のラウフェンシュタイン大尉(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)



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