La Chartreuse de Parme パルムの僧院 1948

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La Chartreuse de Parme パルムの僧院 1948

原作: スタンダール
監督: クリスチャン=ジャック
出演: ジェラール・フィリップ, マリア・カザレス, ルイ・サルー, ルネ・フォール

フランス映画なのに、舞台はイタリアだった。そうだったのかびっくり。そうだよね。シェークスピアが書いたのもイタリアが舞台なのがあった。
170分と非常に長い上映時間である。1839年に発表されたスタンダールの小説の映画化。原作とは違い、王政、革命といった政治色はなく、恋と策略ストーリーになっている。

非常に長いストーリーだが、退屈させない展開である。ファブリスとくれリアの恋の行方は最後までどうなるか分からない。バックにある革命も、

登場人物
主人公ファブリスは、デル・ドンゴ侯爵の次男で、ワーテルローの戦いに参戦する。以前よりも女性に大変もてて、今まで本気になったことはないと言っている。
パルマ公国の話だが。主人公のファブリスがワーテルローの戦い(1815年)に参加した後の話であるから1822年頃か。するとこの頃パルマ公国は、1814年からナポレオンの妻でハプスブルク家皇女のマリーア・ルイーザに公位が渡されいたのである。エルネスト4世は架空の人物である。

サンセヴェリーナ公爵夫人ジーナは、ファブリスの叔母でファブリスが小さい頃から遊んでいた仲で、ファブリスのことが大好きである。
公爵夫人ジーナの愛人の総理大臣モスカ伯は、ファブリスとジーナの関係をよく思っていないが、それでもジーナの言葉に従っている。
クレリア・コンチは、将軍で監獄の警備にあたっているファビオ・コンチ の娘。前から知っていたファブリスに好意を持っていて、ファブリスがファルネーゼ塔に幽閉された時からファブリスと知り合いになる。

フェランテ・パラ ジーナを崇拝する解放運動、炭焼党の首領。

ストーリー
ファブリスはワーテルローの戦いの後、ナポリでラテン語学び、パルマに帰ってきた。幼い頃から知り合いの叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人に迎えられ楽しい日々を過ごし始めた。
ファブリスはマリエッタという女優といい仲になったが、前の恋人の役者ジレッチと争いなり彼を刺し殺してしまった。
ファブリスは捕われファルネーゼの城砦に幽閉された。彼は独房の小窓から見える庭園にいる将軍の娘のクレリアと毎日顔を合わす間に恋に落ちる。警視総監のラッシの陰謀で二十年の禁固刑を宣告される。サンセヴェリーナ公爵夫人はクレリアと炭焼党の首領フェラント・パラに助けをかりてファブリスを脱獄させる。クレリアは、ファブリスに恋をしていたが、マリア像にファブリスが助かるならば、もう二度とファブリスに会わないことを誓っていた。そしてクレサンジ侯と婚約をする。
サンセヴェリーナ公爵夫人はマジュール湖畔に伴って静養させた。ファブリスがクレリアの結婚の近いこと知ると身の危険をかえりみずパルムに戻りクレリアに会おうとするが再び捕えられてしまう。
公爵夫人は彼を救うため大公に屈するが、フェラント・パラに大公を暗殺させる。そして彼女はモスカ伯爵と結婚し、ナポリに旅立つ。クレリアに再会したファブリスは、ただ一度最後に二人の愛を確かめ合い別れる。クレリアは、クレサンジ侯のボローニャに向かい、ファブリスはパルムの僧院の僧侶となる。

ファブリスが初めて恋をする状況を考えれば、自分が苦境に陥ってこそ恋の炎が燃えるという設定だ。クレリアとは宮廷のパーティーでも顔を合わせていただろうが目にも入らなかったのだろう。

1948年当時としては170分の力作である。今でも見応えのある作品である。ストーリーとしては3人が別れて終わるのだが、スタンダールの原作にはその後が書かれている。

マリア・カザレスは、天井桟敷の人々、オフフェなのにも出演している。きりっとした落ち着きのある演技である。マリア・カザレスの演技や、時にゾックとするほどの顔の表情を見せる。

ジェラール・フィリップは非常にハンサムで当時フランスで非常に人気があった。彼は肉体の悪魔、危険な関係などにも出演している。

クレリアがファブリスの無事をマリア様に願う時にシューベルトのアヴェマリアがバックに流れる。

ファブリスが入るのがパルムの僧院である。僧院はシャルトリューズだ。有名な薬草系リキュールの名前と同じである。実際にイタリアに同じ宗派があったかは知らないが原作がフランスなのでこれでいいか。カトリック教会の一派であるカルトジオ会である。フランスで創設されているし、この時代は、ナポレオンの妻のマリーア・ルイーザが支配していたのでフランスの僧院で間違いないのだろう。実際に今でもパルマにこの僧院はある。

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