Only God Forgives オンリー・ゴッド 2013

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Only God Forgives オンリー・ゴッド 2013

監督: ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本: ニコラス・ウィンディング・レフン
出演: ライアン・ゴズリング, クリスティン・スコット・トーマス, ヴィタヤ・パンスリンガム, ラター・ポーガーム, ゴードン・ブラウン


タイのバンコクが舞台。タイトルもタイ語が組み込まれている。

すごい映像表現である。見ているものが別世界に連れて行かれる。それは通常の世界ではない。タイというだけではない、静かで時間の概念も不明確である。しかしストーリーはしっかり存在し、予期しない結末が待っている。確かにゴッドノウズ(神のみぞ知る)である。

タイトルにあるゴッドは、映画の中では、チャンである。チャンという名前は、タイでは神聖な動物の象を意味している。タイの元警官という設定だが、絶対の力と権限を持っているように見える。
カラオケを歌うチェンのシーンが不思議である。彼を見ている人すべてのが動かない。何か神が宣託をしている場面のようでもある。

ジュリアンほど自分の存在意味に疑問持っているものはいない。母の存在も不思議である。公然と殺された兄を愛していて、弟のジュリアンを愛していなかったし、理解できなかったと話す。母から見れば、ジュリアンは愛されなかった息子であり、父を殺した息子なのである。
死んだ母をみたジュリアンが母にする行為は何か心理学的でもある。自分の存在意義を探すようなサイコな行いである。
彼は最後に神のような存在に自分を裁かれたかったのだろう。そこに存在意義を見つけたかったのである。

チャンが持っていた短剣は、ビルマのカチンで使われるもの。

監督、脚本をしているニコラス・ウィンディング・レフンは、デンマーク出身。作品には、プッシャー、ドライヴがある。ドライヴでは、主演はライアン・ゴズリングである。
最近のデンマーク、スェーデンの犯罪映画は、強い個性を持っていてアメリカでリメイクされているものも多い。そして、俳優たちもたくさんアメリカの映画に出ている。
赤色系、ダークな赤色、青色など全体の場面のなかで色調が重要な印象を観客に与える。この映画の色調はm非常に印象的だが、ニコラス・ウィンディング・レフンは中間色が見えづらい色覚障害を持っており、色彩コントラストの強い独特な画面構成が特徴であるらしい。


これは難解な映画である。ストーリーははっきりしているんだが、何を語ろうとしているのか理解するのが難しい。生理的に受け付けないシーンも数多くある。ただ、ハリウッド映画にはない独特な力を持っている。そして明らかに観客を不思議な世界に連れて行く力がある。僕は好きな映画だある。新しい感覚と映像の世界が見える。

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