The Racketeer John Grisham 司法取引 ジョン・グリシャム

The Racketeer John Grisham 司法取引 ジョン・グリシャム

アフリカン・アメリカンの主人公マルコム・バニスターは、元海兵隊で、ヴァージニア州の小さな町の弁護士だった。ワシントンD.C.の友人から依頼された仕事を引き受けたのをきっかけに、悪名高いロビーイストと関わりを持ち、FBIに逮捕されて無実の罪でRICO法によって10年の刑に処せられる。

バニスターは、5年間の刑期の間に妻と離婚、そして妻は再婚して子供も去った。連邦刑務所の中で、バニスターはFBIや連邦裁判官に対して強い恨みを持ちながら、服役者の法律相談をするようになる。
そこに連邦裁判官が、不倫相手とともに殺された事件が起きる。犯人は何も証拠を残しておらず、FBIの捜査は難航した。マルコム・バニスターは、殺人者が誰であるか知っていると刑務所長に話し、FBIに、rule 35を適用して釈放と懸賞金そして証言者として安全を保証してもらうことを持ちかける。

ジョン・グリシャムの作品では、アメリカン・アフリカンが主人公は初めて。いつもの弁護士の活躍と言うよりは、FBIを相手に一発かましてやるという、何と言うか大胆な筋立てである。ジョン・グリシャムらしく小説のプロットが入り組み起承転結がはっきりしているので読者をどんどん引きつけて行く。
途中あまりにも話が途方もない所に進んで行くので、ゆっくり読みながらつじつまが合うように考えたら最後までの仕組みが予想できてしまった。あまりに内容に無駄がないので、謎解きがしやすいかもしれない。いつジョン・グリシャムの仕掛けに気づくかがポイントの小説である。ジョン・グリシャムファンとしては、彼のプロットの仕組みがわかるようになってきたことは嬉しいのだが、残念でもある。それでも小説を読み進める楽しみと最後の爽やかさは損なわれていない。ただ主人公が、これだけ頭がよかったのに、どうして最初にFBIに捕まるようなドジをしてしまったんだろうと不思議に思ったんだけど。それにしてもこの小説に出てくるFBIはお粗末すぎる。

この作品はFOXが映画化する話がでている。予想される出演者はデンゼル・ワシントンらしいが、確かにこの小説をよみながらイメージしたのはデンゼル・ワシントンである。ただデンゼル・ワシントンからは承諾の回答をもらっていないらしい。

オーディオ・ブック 発音はクリア、ただ、アメリカン・アフリカンのアクセントがあり、話すスピードはかなりゆっくりである。パフォーマンスは素晴らしく雰囲気が非常にうまく出ている。この声を聞いていてもデンゼル・ワシントンを連想させてしまう。

Racketeerに対する適切な日本語訳があるかわからない。ゆすり,たかりも違うと思うんだが。それで題名はラケッティアーとしておいた。

Racketeer: 違法行為によって不正に利益を得るもの

rule 35: アメリカ合衆国の法律で、ある犯罪について合衆国に協力して犯人の逮捕,訴追に卿漁した場合、処罰を減刑できると規定した法律

RICO Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act.: 違法行為によって不正な利益を得る組織的な犯罪を行う団体の活動を規制し、民事責任と刑事罰を規定したアメリカ合衆国の法律

10 ounce=?311.03 g(金衡 (troy weight) で])

John Grisham ジョン・グリシャムの感想をまとめたサイト

John Grisham ジョン・グリシャムのサイト http://www.jgrisham.com

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