Le Havre ル・アーヴルの靴みがき 2011

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Le Havre ル・アーヴルの靴みがき 2011

監督: アキ・カウリスマキ
脚本・プロデューサー: アキ・カウリスマキ
出演: アンドレ・ウィルム, カティ・オウティネン, ジャン=ピエール・ダルッサン, ジャン=ピエール・レオー, ブロンダン・ミゲル


ル・アーヴルは、ノルマンディー地方にあり、セーヌ川河口の右岸に位置する港湾都市である。
ル・アーヴル駅の周辺で靴磨きをしているマルセル・マルクス。収入は少なくとも妻のアルレッティそして愛犬ライカと幸せな生活をしている。二人の寄り添い方がなんというかまた不思議な雰囲気を醸している。あれが,フランスの老人夫婦の関係なんだろうかと不思議に見入ってしまう。アルレッティの雰囲気もびっくりするほど、普通でない。しかし見ているうちに自然になっていく。本当に不思議な感覚につつまれた映画である。

イドリッサは、アフリカからロンドンに向かう途中でル・アーヴルに漂着した不法移民の子供。ロンドンに住んでいる母に会いに行こうとしている。マルセルは偶然、イドリッサと出会い、かくまうようになる。

マルセルがイドリッサをロンドンに行くように助けようとする。すると彼の友人達に親切の輪が広がって行く。その心温まる出来事が見ている者をほっとさせる。最後の結末も、なにか自然を超越している不思議である。アルレッティが入院している病院の壁の色まで雰囲気がある。

みんながそれほどうまい演技をしているわけではないが、そこがカウリスマキの狙いらしい。ほとんどが1回撮りらしい。

映画のなかで、Liberoを演奏するのは、Little Bob Story というロックバンドで、ル・アーヴル出身である。このヴォーカルのRoberto Piazzaが歌がうまくて渋い。


この映画のワインの話。

マルクスがポケットにあるお金を見て、赤のグラスワインと卵1個のオムレツを頼む。そこにモネ警視が来て、ドメーヌ クルビサック 2005年 と注文する。

このドメーヌ クルビサックは、アルザスで自然派で有名なマルクテンペが南仏のミネルヴォアで作る赤ワイン。ワイナリーの共同経営者は、ドイツの映画プロデューサーであるから、その関係でこの名が出たんだろうか。それにしても2005年はフランス全土で天候が良かった年で美味しそうなワインである。

ほかにモネ警視は、カルヴァドスを良く注文している。これは、当然ノルマンディーの特産のリンゴから作られるブランディーである。

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