千夜一夜物語 虫プロ・アニメラマ 1969

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千夜一夜物語 虫プロ・アニメラマ 1969

原案・製作総指揮:手塚治虫
監督:山本暎一
美術監督:やなせたかし
音楽:冨田勲
テーマ曲:アルディンのテーマ 演奏:ザ・ヘルプフル・ソウル

出演: 青島幸男, 岸田今日子, 芥川比呂志, 伊藤幸子

このアニメは何度も見たことがある。確かにスケベな所もあり、小学生の頃に見たときは意味不明なところもあった。それでもアラビアンナイトは魅力的な題材で、映画の中のいろいろな逸話が面白かった。

主にこのストーリーは、アリババと40人の盗賊、シンドバッドなどが組み合わせて作ってある。それに、空飛ぶ木馬、幽霊船、蛇の化身の女達が住む女ヶ島、宝物の比べがでてくる。

主人公のアルディンは、ジャンポール・ベルモントそっくりである。寺沢武一の漫画コブラの主人公もよく似ている。
アルディンのテーマは、プロローグとエンディングに出てくる。アルディンが砂漠の中を歩き続けるのだが、ぜんぜん進んでいるように思えないのはすこし笑いがでる。
魔人の夫婦がでてきて、ジニーがアルディンを好きになるのがよく理解できないんだが。ストーリとしては余分なようにも感じる。

父アルディンと娘ジャリスの関係があまり描かれていないところは残念。
アルディンが水売りから、バクダットの王になり、死刑になりかけて助かりまた水売りにもどる。エンディングのアルディンが元気にまた若さを取り戻して元気に歩いてく。彼の波瀾万丈の人生とバイタリティが素晴らしい。

音楽の担当は、冨田勲なんだ。知らなかった。この当時はまだ電子音楽ではない。リムスキー=コルサコフのシェへラザードをアルディンとミリアムのテーマにしている。ジャリスの時には流れない。僕はこのアニメが最初だったのかもしれないが、その後リムスキー=コルサコフのシェへラザード聞いて大好きになった。

声は、アルディンが青島幸男、ミリアム、ジャリスが岸田今日子。懐かしい声である。それにキャラクターに溶け込んでいる。

アニメーション全体の出来はまだまだ完成度が高くないが、やっぱり手塚治虫らしいキャラクターがいい。ただ、ミリアム、ジャリスの描き方はさすがにイスラム系の骨格の描き方でしっくり来ないと言うか、イスラム文化の絵画から出てきた女性と言う感じ。アスラーンもそうである。逆にマーディアは、手塚のキャラクターらしい。

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