用心棒 Yojimbo 1961

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用心棒 Yojimbo 1961

監督: 黒澤明
撮影: 宮川一夫, 斉藤孝雄
出演: 三船敏郎, 東野英治郎, 山田五十鈴, 加東大介, 仲代達矢


舞台は上州の宿場町。本当なら絹市が立つくらい栄えていた宿場だが、2つのやくざの組の対立が激しさを増している。そこに現れた侍が、二つのやくざの組を潰して、大掃除をして去って行く。
やっぱり名作と言われる映画の一つだろう。名場面がいっぱいあり、それが後の映画に影響している。最初に桑畑がいっぱいあり、そこで道を選ぶ気まぐれな性格がでていて面白い。この映画をまねして道を決めた人が多くいたような気がする。三船敏郎が肩をくねらした演技は、忘れられないシーンでもある。

宿場町の最初のシーンで、片手をかわえた犬が近づいてくる。片手も本当にリアルである。のんびりした風景から急に怪しげな雰囲気に変わる変化は素晴らしく、この物語の象徴でもある。これも以後いろいろな映画に何度も使われる。
...くわばたけ、桑畑三十郎。いや、もうそろそろ四十郎ですが。と言う台詞は、続編の椿三十郎のほうが、題名にも使われたように印象的であった。これは、やっぱり外の風景の桑畑が地味だったこともあるだろう。三船敏郎は、映画が発表されたときは、41歳であるが、映画を撮っていたときは39歳だったかもしれない。
三十郎がけがをして、枯れ葉を的に包丁を投げる練習をするところも素晴らしいシーンである。あれは逆まわしで撮ったもの。

新田の卯之助を演じている仲代達矢も本当に若い。それでもなにか得体の知れない雰囲気を持っていて個性派俳優なんだと思う。

懐かしい水戸黄門でおなじみだった東野英治郎が、飲み屋の親父権爺としてでている。この後の水戸黄門と変わらないしゃべり方である。権爺と桶屋が、三十郎が入った棺桶を担ぐところは、緊張感よりも愉快な場面である。

加東大介の亥之吉も、顔に特殊メイクをして頑張っている。本当の加東大介を知っている者から見れば、ユーモラスだ。
殺陣にこだわりがあり、これがその後の日本の殺陣を変えたと言われるが、後から見たものには、これが当たり前のようで実感できない。
音楽を担当した佐藤勝が作曲したテーマもいい。これは、椿三十郎でも使われている。
終わり方が、突然でそこが軽妙で、見ている者に余韻を残す。


有名な話だが、クリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督の荒野の用心棒はこの映画のリメイク。こちらも面白かったし、エンニオ・モリコーネ音楽も良かった。

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