dreaming on clouds

原作、脚本: 和田竜
監督: 犬童一心, 樋口真嗣
出演: 野村萬斎, 佐藤浩市, 榮倉奈々, 成宮寛貴, 山口智充

映画の宣伝がよかったので前から見たかった映画だった。
野村萬斎が演じる成田長親は、領民からでくのぼうを略してのぼうと言われていた。城主の従兄弟で、城代の息子。のんきで、人がよく、武芸はからしきである。
史実に基づいているので最初のテンポが悪いのは仕方がないか。ややだれてしまう。
全体のストーリーの起承転結はしっかりしているが、どこか観客が感情移入できるところが少ない。とくに、成田長親と甲斐姫の関係があまりに微妙すぎる。そして酒巻靱負のからみも理解できない。また成田長親の魅力がそれほど伝わってこない、自分が田楽踊りをして敵から撃たれることで、領民や家中の心をもう一度まとめて奮い立たせることが本当に素晴らしいと言えるだろうか。そこにも非情に失望したのだが。

CGを生かした大きなセットで迫力がありそうだが、やっぱりハリウッドの出来に比べるとかなりレベルが低い。特に堰を切ったときの洪水のシーンの水のCGはがっかり。あまりに出来が悪すぎる。単調で、同じものの繰り返し。残念。
石田三成はかなり好意的な人物に書かれているが、この場合はそうだったのだろうか。自分に戦略の才能のなさについて陰口をささやかれて、それでいてこの城の攻略もうまく行っていない状況であれ程のゆとりがあったとは思えないのだが。

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