東野圭吾ミステリーズ 木曜劇場 2012

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第1話「さよならコーチ」 主演/唐沢寿明 演出/河毛俊作
第2話「犯人のいない殺人の夜」 主演/坂口憲二 演出/澤田鎌作
第3話「エンドレス・ナイト」 主演/松下奈緒 演出/河野圭太
第4話「レイコと玲子」 主演/観月ありさ 演出/川村泰祐
第5話「甘いはずなのに」 主演/反町隆史 演出/小林義則
第6話「シャレードがいっぱい」 主演/長澤まさみ 演出/石井克人
第7話「白い凶器」 主演/戸田恵梨香 演出/林徹
第8話「小さな故意の物語」 主演/三浦春馬 演出/並木道子
第9話「結婚報告」 主演/広末涼子 演出/村上正典
第10話「二十年目の約束」 主演/篠原涼子 演出/宮本理江子
第11話「再生魔術の女」 主演/鈴木京香 演出/河毛俊作
ナビゲーションパート ナビゲーター/中井貴一 演出/鈴木雅之

傑作短篇小説を11話厳選!?
東野圭吾の短編小説を一話完結にしたTVシリーズ。

東野圭吾の短編小説は、一つ一つ訴えるものがあり、そして驚きがある。TVシリーズは、小説を読んでいるとは違う意味で、一話一話を演じている俳優陣の演技力が試されている。ストーリーの展開だけでなく、ストーリー起承転結に合わせて、役者がうまく演技をしているかどうかを見るのもこのシリーズの楽しみだろう。
一話一話主人公が違い、ゆっくりと一人一人の演技を比べることが出来るのも楽しい。

第1話さよならコーチは、唐沢寿明の演技はすこし固さが残る。これが彼の持ち味だが、犯人を演じるには少し難がある。うまく無実の人間を装うとき、自分が犯した犯罪が少しずつ暴かれる段階、そして自分の犯罪が暴かれた時、この表情、感情の違いがうまく出ていない。

第2話犯人のいない殺人の夜の坂口憲二は、真面目な家庭教師を演じる時、自分の計画が当たった時、刑事と話す時、犯行を決行する時などを意識して演技している。逆にすこしわざとらしさがあるくらいだが。
第3話エンドレス・ナイトの松下奈緒は、夫が単身赴任先の大阪で殺された妻をうまく演じてる。過去にあるトラウマを抱えているのだが、演技としては、妻の人物像が透明すぎて感情が伝わってこないのが残念。もう少し何か精神的な緊張感が表現して欲しかった。

第4話レイコと玲子の観月ありさは、ヒューマンな弁護士を演じている。ぼくには少し気負い、固さが感じられるのだが。それよりも多重人家の少女を演じた大野いとがすごい。

第5話甘いはずなのにの反町隆史は、心の葛藤がある夫役をうまく演じてる。加藤あいもサスペンスらしい疑惑のある妻を演じていて最後の展開を楽しめた。

第6話シャレードがいっぱいは、シャレードがいっぱいという意味は何だろうと考えされた。青山弥生の元カレが言った言葉なんだが。これは、この話のストーリがオードリー・ヘップバーンのシャレードのストーリを借りているからだろう。それがわかれば、すこし安心して見ていられる。そして東野圭吾の原作だが、脚本もシャーレードがいっぱいに、楽しくおしゃれに作ってある。長澤まさみも可愛く、楽しそうに演技している所がいい。

第7話白い凶器は、やっぱり戸田恵梨香の演技につきる。出版会社で真面目に働く中町由希子と、その裏の顔。これを演じ分けるのは大変なことだっただろう。そう言う意味で彼女の演技は、十分評価できるし、物語の楽しみは彼女にかかっていた。

第8話小さな故意の物語は、高校生の恋(故意)の物語。やっぱり波瑠の演技が印象に残る。三浦春馬の演技はいつも安定している。良と洋子の関係の曖昧さが、いつもの高校生の恋愛なんだが、友人達也の自殺の真相を知る最後の結末は確かに苦いものである。

第9話結婚報告では、広末涼子の自然な演技が光る。最後のどんでん返しはなるほどと思うけど、それほど目新しいサスペンスではない。そこが残念。

第10話二十年目の約束では、篠原涼子演じる山岡亜沙子の幸せな、病気の悩み、夫を疑うなど多彩な女性の感情をうまく演じている。ストーリーも複雑で謎に包まれていて楽しみ見られる。ただ、夫の友人はこのストーリーに必要だったのだろうか?

第11話再生魔術の女は、鈴木京香の産婦人科医師中尾章代の演技よりも小澤征悦が演じる根岸峰和の方が気になった。すこし一本調子で中尾章代が真相にメスを入れて行ったり、子供の出生の秘密を話しているときの表情にもう少し感情が欲しかった。それは、冷たい表情でもいいんだけど。

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