監督: アスガー・ファルハディ
出演: レイラ・ハタミ, ペイマン・モアディ, シャハブ・ホセイニ, サレー・バヤト, サリナ・ファルハディ
第84回アカデミー賞外国語映画賞
イランの映画である。
イランを去りたいと思う妻、アルツハイマーの父の世話をする為にイランに残る夫。そして娘。三人の関係は、イランと言う日本から遠くはなれた文化の中にあっても同じ意味合いがたくさん含まれている。
映画は、たんたんとした夫婦の別れ話から、次第に複雑な様相を呈してくるのだが、その物語の流れが素晴らしい。観客の興味を放さず、最後まで飽きさせずに見ることができる。
コーランの誓いは、彼らにとって非常に重たいものであることをしみじみと感じさせる。イスラムの宗教がどれくらい生活に根付いているかも深く考えさせられる映画でもある。
最後に娘が父か母を選ぶのかはまったく答えを持っていない。ただこれは、真面目に父の面倒を見るためにイランに残る父か、イランを飛び出して外国に住む母を選ぶかというやや不公平な選択でもあるし、これこそが今のイラン国家の実情を直接現している選択なのかもしれない。
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