Arch of Triumph 1948 凱旋門

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原作; エーリッヒ・マリア・レマルク
監督: リュイス・マイルストン
出演: イングリッド・バーグマン, シャルル・ボワイエ

僕はこの映画が大好きで、原作まで読んでしまった。レマルクの原作である。

第二次大戦前、1938年の冬、ドイツがフランスに侵攻する前のフランス、パリで、雨の中に橋の上で出会う二人。この映画のストーリーはかなりカサブランカと重なる所がある。展開はまったく異なるのだが。過去に影のある二人、パリで知り合い恋に落ちる。男は逮捕され、パリから追放される。女は、寂しくて別の男のもとへ。帰ってきた男、男のことが忘れられない女。そして悲劇が。

ラビック(シャルル・ボワイエ)がジョーン(イングリッド・バーグマン)に橋の上で出会う。このシーンは本当に昔の映画でよく出てくるんだが、でもそこがいい。日本では、君の名はが有名。新しい所ではポンヌフの恋人かな。

二人の最初の出会いの店で、カルバドスを頼む。最初に見た頃はカルバドスなんて知らなかった。コニャックでなくて、カルバドスと言う所がおしゃれである。
それにしても、カサブランカの後のこの凱旋門の方が、イングリッドバーグマンの魅力が、儚さと、虚栄と、美しさが存分に発揮されている。
やっぱりコート・ダジュールに行くシーンがある。昔のフランス映画はみんな層な所がある。アンティーブに行って、海辺を楽しんで、カジノに行き、海岸近くのレストランで食事をする。いいなー。
戦争前のパリは、ほんとうにロマンスにもってこいの場所である。暗い世情のパリで出会う二人。二人には悲しい過去を背負っている。そして未来のない愛に浸って行く。
この映画が、シャンパンタワーを初めて見た映画だったと思ってたけど再度みたらそうではない。確かに、ワイングラスを積んで行くシーンがあるんだが。でもカルヴァドスがストーリーにいい味を添えている。
シャルル・ボワイエはその前にイングリッド・バーグマンとはガス燈で共演している。ここでもいい演技である。ハンフリー・ボガートは違うタイプの格好良さがある。
ボリス・モロゾフを演じるルイス・カルハーンが脇役としていい味を出している。彼はイングリッド・バーグマンの映画では汚名でも出演している。

レマルクが描く作品は、西部戦線異常なしと同様に戦争の悲劇である。この作品はドイツに進軍される前のパリを描いている。凱旋門は、当然フランスの為に作られたものだが、ラビックがフランスを去る時(原作では逮捕されたかもしれない)には凱旋門の明かりは消され、黒くそびえ立つ凱旋門がきたる暗い日々を暗示している。

僕はこの映画は、カサブランカに負けず劣らずイングリッド・バーグマンの美しさが引き出されている映画と思う。バーグマンが歌っているシーンもあるのだからファン必見ものだ。

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