剣鬼 1965

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原作:柴田錬三郎
監督: 三隅研次
出演: 市川雷蔵, 姿美千子, 佐藤慶, 星川清司
三隅研次監督と市川雷蔵による剣三部作の一つである。これも剣を巡る青春映画である。生まれが犬の子供かもと言われた斑平の剣に生きた人生を描いた物語である。
なんというか少し里見八犬伝のような雰囲気で始まる。
藩主の妻は狂っており、死に際に自分のかわいがっていた犬を大切にするように中老に伝え死んで行く。その時藩主の妻の髪は九尾の狐のように広がっていた。その後中老は、父親が誰かわからない子供を産み、もだえながら死んで行く。生まれた子供、斑平は犬の子ではないかと噂されるのである。養父が死に際に、斑平に何か一芸に秀でろと言われた。それ以後目覚めるようにいろいろな芸を身につける花を育てるのが得意である。。足が韋駄天のように速く馬よりも速い。居合い抜きを見ただけで極意を会得してしまう。まさに人間業ではない。
人々から疎外された斑平が、次第に剣の道を究めようとする。そして呪われた剣として奉納された剣を取り、この剣によって呪われれば世間の勝ち、そう出なければ自分の勝ちと世間に対して勝負する。これも青春物語の一つである。またお咲と秘密の花畑を作る。淡い恋心も描かれている。
自分の人斬りの仕事が藩中で嫌われ最終的に自分が作った花畑での30人との切り合いとなる。居合いによる殺陣はこの映画の楽しみの一つである。この殺陣の完成度は、三隅研次監督と市川雷蔵ができる美の極致である。内田朝雄演じる醍醐弥一郎、居合いの師匠の居合いも素晴らしい。
どちらかと言えば、市川雷蔵の妖艶な美しさを引き出すストーリではない。そう言う意味では少し僕には魅力の少ない侍映画である。
My Rating(評価): 14/20
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