Jonathan Strange & Mr Norrell Susanna Clarke ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル スザンナ クラーク

JonaStraMrNorNovel.jpg原作者のスザンナ・クラークはイギリスの小説家。処女長編である歴史改変SFジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルは、10年かけて完成された大作である。2004に発刊されている。
内容は、ハラハラドキドキというよなアクション物ではない。どちらかと言えば魔法が大好きでその世界にどっぷり浸かりたい方におすすめ。
ギルバート・ノレルもジョナサン・ストレンジもどちらも、今までの小説に出てくるキャラクターとは一戦を画しているので、好みが別れるかもしれない。イギリスのヨーク、ロンドン、そしてヴェニスが舞台である。

これはAudio.bookで聞き通したが、録音状態が悪く、やや聞きづらく読通すのに時間がかかった。ナレーションのサイモン・プレブル(Simon Prebble)の朗読力は素晴らしいんだが。また脚注が多いのがこの本の特徴でもあり、聞き取りだと、ストーリーが途切れるので、かなり集中力が必要となる。

19世紀のイギリス ナポレオン戦争の時代で、イギリスに以前は魔法の世界があったと言う前提で話がすすむ。最初のストーリーは、ミスター・ノレルの話から始まるので一体ストレンジはいつでてくるのと言う感じである。

途中出てくるナポレオンの戦争、ワーテルローの戦い(ウォータールーの戦い)を魔法と絡めて描いている所が面白い。とくにワーテルローの戦いでは、前夜から雨を降らせたは、ストレンジの魔法であるして描かれている。
ヴェニスでは詩人で有名なバイロンも小説の中に折り込まれているが、あまり本人が登場するシーンが少なくてすこし肩すかし気味。

最後のエンディングは、確かに魔法の小説としてはスタイリッシュかもしれないが、もう少し善悪がはっきりしてドンパチがあった方が面白いんだが。

ストレンジと妻アラベラとの関係がやや距離を置いた感じで描かれていて、そこは僕にはピンと来ない。

ジョン・オスグラスが魔法の王、カラスの王でポイントになるんだが、最初は、魔法について、この本に設定されている情報量が多すぎて理解できないかもしれない。ゆっくりと読み進めて行かないとわからなくなってしまう。魔法について書かれた本、魔法の歴史書が重要なアイテムである。

thistle-down hairの紳士が重要な役割をもってくるのだが、このthistle-downの意味は、絹のような羽毛状の毛でできたアザミの冠毛のことである。アザミの花のような頭をしていると言うことか。

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